2018年8月24日号 Vol.332


「トカイ・フリウラーノ」扱う
数少ないワイナリー

ワイナリー
チャニング氏が手掛けたロゴ

ワイナリー
テイスティングルームに飾られたチャニング氏の作品

ワイン
開放的な屋外エリア

ワイン
産地に拘ったワイン


ベンチャーキャピタリストで彫刻家のウォルター・チャニング氏(1940〜2015)が創設した「チャニング・ドーターズ・ワイナリー」。1982年、ロングアイランドのブリッジハンプトンでシャルドネを植えたのが始まりだ。ワイナリーのロゴ「木の根」のイラストはウォルター氏の手によるもので、他にも敷地内には彼の作品が飾られている。実業家の父と、アーティストの母を持つウォルターは、子どもの頃から木工に興味を持ち、放棄された木材から鉛筆や家具、飾り物などを制作。まさに両親からの「ルーツ(根)」を受け継いでいた。

ワインは作られる環境により個性が異なることから、「ワイン通」たちは産地名だけで、ワインの特徴を判断することができると聞く(他にも判断基準はいろいろあるそうだが)。ここのワインは、NY州で「AVA※」指定された3ヵ所、「ロングアイランド(Long Island AVA)」「ノーフォーク(North Fork of Long Island AVA)」「ハンプトン(The Hamptons, Long Island AVA)」のブドウを使用。地元産に拘ったワインを、年間およそ1万4000ケース生産している。

ピノ・グリージョ100%の「2017ピノ・グリージョ(ロングアイランドAVA)」は、フルーティーな香りが特徴の白。全て手作業で収穫された果実を8ヵ月熟成させた「若飲み用」のワイン。また、アメリカでは生産農家が少ない「トカイ・フリウラーノ」を扱っているのも特徴のひとつ。「2016トカイ・フリウラーノ(マッド・ウエスト・ビンヤード)」は、爽やかな舌触りと酸味が特徴の白。トカイ・フリウラーノ100%のスパークリングワイン「2017 トカイ・フリウラーノ・ペティアン・ナチュラル」は、古代製法で作る限定品(購入はひとり3本まで)。これらは8月にリリースされたばかりの新商品。ことわざの「初物を食べる時は東を向いて笑う」は、ワインでも効果ありか?!(芳沢レン)

※アメリカ政府が公認したワイン指定栽培地域「American Viticultural Area (AVA)」で収穫したブドウを、85%以上使って作られたワインのみ、地域名を表示できる。2016年11月の時点で、米国内で「AVA」指定された地域は238ヵ所。

Channing Daughters Winery
1927 Scuttle Hole Rd
Bridgehampton, NY
Tel: 631-537-7224
www.channingdaughters.com



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