2018年6月15日号 Vol.327



「ベスト・ワイナリー」
20年連続で受賞
ミルブルック・ビンヤード&ワイナリー

ワイナリー外観
オランダ風の建物。テイスティング・コーナーは1階と2階

ベランダからの眺め
2階ベランダからの眺め

2階ロフト
2階のロフト。天井の梁がむき出しに

限定ワイン
2017年のアートコンペ受賞者作品のラベル

オススメのビスケット
絶品だったビスケット


ウォールストリート・ジャーナル紙が「グレイト・プレイス!」と絶賛していたようなので、「ならば…」と出発。タコニック・ステイト・パークウェイをひたすら北へ、ハドソン渓谷の「ミルブルック・ビンヤード&ワイナリー」を目指した。今のスマホは「ナビ代わり」になるから、初めての場所でも安心…ではなかった! なんと山間では電波が届かないのだ。こんな事態を予想していた訳ではないが、用意していた「手書きのナビ(地図)」に助けられ、なんとか目的地へ到着。道に迷わなければ、マンハッタンから2時間程だ。

道路脇に立てられた「ミルブルック・ビンヤード&ワイナリー」の看板を曲がり、ブドウ畑を横目に進んで行くと、オランダ風の建物が見えてくる。駐車場周囲は広い芝生エリア、池の脇にはピクニックテーブルもあり、小さな子ども連れの家族やカップルがくつろいでいた。建物に目をやるとベランダが見え、「まずは、あそこからの景色を眺めよう」と屋内へ。ところが、入口付近の「お菓子コーナー」で釘づけに。リアル・ワインで作られたという「アメリカン・ビンテージ・ワイン・ビスケット」を帰りに購入しようと心に決め、2階のロフトを目指す。階段を上ると、梁がむき出しになった天井が現れ「まるで恐竜の肋骨だな」と感心しながらベランダへ。そこには、牧歌的で美しい風景が広がっていた…グレイト・プレイス!
下戸の私は、これだけで十分楽しめたのだが、「ワイナリー取材」だということを思い出し、ワイン・セクションへと向かった。

1981年、同地初となるブドウ畑を作ったオーナーのジョン・ダイソンとデヴィッド・ボヴァ。1985年に「ミルブルック・ビンヤード&ワイナリー」を設立。現在は130エイカーの敷地のうち30エイカーで、シャルドネ、ピノ・ノワール、カベルネ・フラン、トカイ・フリウラーノなどを栽培し、年間約1万2000ケースのワインを生産。20年連続で「ベスト・ワイナリー」に選ばれ、そのワインは数々の賞を受賞している。

テイスティングは、「ポートフォリオ」(6種類:12ドル50セント)と、「リザーブ」(5種類:25ドル)の2プラン(時期により価格の変動あり)。加えて2ドル50セントを支払えば、ブドウ栽培やセラー、醸造、歴史について学ぶツアーにも参加できる。
売れ筋は、フルーティーな香りが人気の「シャルドネ」シリーズ。ブラックベリーとプラムが香る「ハント・カントリー・レッド」も人気商品。

5月から10月まで、野外に設置された特別テントで「ビンヤード・グリル」がオープン。バーガー、サンドイッチ、サラダ、スイーツなどが楽しめる。もちろん、ミルブルック・ワインもグラス(またはボトル)でオーダー可能だ。

また、地元アーティスト支援の一環として毎年、絵画コンペを開催。2階ロフトで作品を展示、一般投票により優秀作を決定する。選ばれた作品は、ワイン・ラベルに採用(限定品)という企画。

のんびりとした雰囲気の中、絵画を楽しみ、歴史を学び、お腹も満足したところで、「アメリカン・ビンテージ・ワイン・ビスケット」を購入。「ワイナリーに来て、お菓子だけを買う客も珍しいだろうな〜」と思いつつ、岐路につく。

最後に…このビスケット、もう一度買いに行きたいほど「絶品」だったことを報告したい。(芳沢レン)

Millbrook Vineyards & Winery
26 Wing Road,
Millbrook, NY 12545
Tel: 800-662-9463
millbrookwinery@millwine.com
www.millbrookwine.com



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