2018年5月11日号 Vol.325

63歳でオープン!
妻と共に20年


芝生が広がるエントランス


アップル酒(写真上)とコーヒー・リキュール(下)もオリジナル



ニュージャージーのバーゲンフィールドで、自動車修理工場を経営していたフランチェスコ・チウーモ氏。「このデマレスト・ヒル・ワイナリーをオープンしたのは、63歳の時だよ」と聞いて驚いた。ワーウィックに135エイカーの土地を購入して家を建て、ブドウを植えた。最初は、家族のためだけにワインを作っていたそうだが、1998年にワイナリーとしてオープン。2006年、ドイツから蒸留装置を購入し、オリジナルの蒸留酒も作るようになった。「63歳からいきなりワインが作れるのか?」 と思ったが、イタリア出身で5人兄弟のひとりだったフランチェスコ氏は、家族が営んでいた農場やブドウ園で20歳まで働いていたそうだ。なるほど、すでに「下地」はあったという訳だ。「ここで売っているワインやリキュール、ブランデーは、全て私がクリエイトしたんだ」と自慢する。「もちろん、私の美しい妻、オリエッタと一緒にネ」と付け加えることを忘れない。さすがはイタリア伊達男。

そんなフランチェスコ氏が作る「作品」のいくつかは賞も受賞している。グレープ・フレーバーの「グレープ・ウォッカ(Grape Vodka)」、イタリア特産の蒸留酒でブランデーの一種「グラッパ(Grappa)」、甘いポートワイン「ポート・フィノ(Port Fino)」、ラム酒・ワイン・蜂蜜をブレンドした「トロピカル・リキュール(Tropical Liquor)」など。ノン・アルコールとして、チョコレート味の「アップル・チョコレート・サイダー」(子どもに人気)や、甘いサイダー「サイダー・クリスタリーナ」、赤と白のワインもある。「ノン・アルコール・ワインとは、ただの葡萄ジュースでは?」と思い、興味本位で購入。予想通り、甘さを抑えた葡萄ジュース。下戸の皆様にオススメしたい。

屋内でフランチェスコ氏の昔話やウンチクを聞くも良し、外に出て景色を眺めながらのんびり飲むも良しのデマレスト・ヒル・ワイナリー。訪問時には気が付かなかったが、「アメリカ国内、ベスト・ビネガー!」と自画自賛する「レッド・バルサミコ」を、今度は買いに出かけたい。(芳沢レン)

Demarest Hill Winery
81 Pine Island Turnpike, Warwick, NY
Tel: 845-986-4723
demaresthillwinery@gmail.com
www.demaresthillwinery.com



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