2022年12月16日号 Vol.436

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空間だけでなく心も彩る華

志田あや子(志田翠柳)Ayako shida
草月流師範/フローラルデザイナー

・出身:千葉県

★生け花に出会ったきっかけ
大学で建築とインテリアデザインを専攻したことを通じ、植物を使って空間をしつらえることに興味を持ちました。それまで「いけばな」の経験は全くなく、インテリアデザインの延長です。建築やランドスケープは長期的に計画するものですが、手軽に楽しめる「切り花」や「観葉植物」などで空間デザインをしてみたかった。フラワーデザイナーとしては、2005年から活動を始めました。

★フラワーデザインのコンセプト
学生時代、いろいろなアイディアを得るために、写真集や雑誌、アーティストの本をよく読んでいました。そこにはいつも何かしらの植物が写り込んでいた事がきっかけだったように思います。子どもの頃の自由研究で、高山植物の写真を撮って調べた記憶がありますが、実は昔から好きだったのかもしれません。植物は空間を彩るだけでなく、心にも華を添えられるところが魅力ですね。



★NYを活動の拠点に選んだ理由
ニューヨークには、日本には無い規模のデザインのフラワーアレンジメントを見たことがあって、それらを作る会社で働いてみたい、と思ったのがきっかけです。

★自身のイベントデザイン会社SUIRYU設立
現在は自身の師範名を冠したイベントデザイン会社SUIRYUを運営しています。企業やブランドのイベント、店舗の装飾、お子様から大人まで楽しめる季節のお花を使ったフラワーワークショップを行っています。また、会社の仕事とは別に、花の持つ生命力や枯れゆく瞬間の美しさを写真に収めたいと思い、作品撮りを始めました。吸い込まれるような美しさ、子孫を残すために虫を誘惑するエロチックな構造、枯れた後に見せる思いがけない姿など、どのお花にも個性があって、興味が尽きません。

★「いけばな」「写真」を通して最も表現したいこと
今年の夏から撮り始めてるのはストリートフラワーです。イベントなどで使い終わり捨ててしまうお花を持ち帰り、ニューヨークの街中に活けて写真に残しています。始めたきっかけは、ニューヨークで生活を始めた時に衝撃を受けたゴミの多さです。今でも忘れられないのですが、その風景が日常的になってしまうと、当時の感覚が薄れてしまうので、その思いを残そうと写真を撮り始めました。大量のゴミが環境を破壊する前に、貴重な資源の無駄遣いが減り、次の世代も変わらず生活ができるようにという思いで撮影してます。

★今後の予定、将来のビジョン
様々なイベントの装飾を行っていきたいのはもちろんですが、撮り貯めた写真を何かの形にし、その収入を環境保護のために使いたい、何ができるか模索中です。

ikebana.suiryu@gmail.com
https://ikebanasuiryu.com
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