2022年2月25日号 Vol.416

right
生徒たちの目標になれるよう

イザベラ・M・トーレス
Isabella Maria Torres
バレエダンサー/指導者

・出身:東京都

★バレエを始めたきっかけ
3歳の時、ダンサーの母が東京のバレエ教室に連れて行ってくれました。最初の半年は、ほとんどレッスンに参加せず、いつもスタジオのカーテンの陰に隠れていたそうです。クラスに慣れない私に、母は「もうダメかな」と思ったそうですが、根気よく通わせ続けた結果、レッスンに参加するようになったと教えてくれました。

★指導者としてのキャリア
高校生の時、習っていたバレエの先生から「幼児のバレエクラスに、アシスタントとして入ってくれないか」と言われたことで、最初は先生の補佐として指導に携わりました。次第にその代わりを務める機会が増え、そのうち私自身のクラスを持たせて頂いたことから、本格的に指導をするようになりました。

★朝日生命体操クラブ(東京)で体操選手に振り付けやダンスを指導
最初は「体操」というものがどれほど過酷なものか知りませんでした。実際に指導に入ると、選手たちは徹底した体調管理の上、朝から晩まで練習に明け暮れるという、私の想像を超えるものでした。私も選手と共に「競技に挑む」という気持ちで携わり、「プレッシャーを自信に変える」という指導方法を選択。レベルは二の次にし、「自由表現の時間」として位置付けることで、のびのびと踊れる雰囲気作りを目指しました。さらに私自身が他国選手の演技を勉強・研究することが指導者として欠かせないことでしたし、その時の経験は、今でも役立っていると考えています。



★ニューヨークを選んだ理由
ニューヨークは究極の「エンターテイメントの街」です。この地で「ダンスビジネスを成功させなければ、他では通用しないんだ」という若干強気な気持ちがあり、拠点を東京からニューヨークに移したのです。来米当初は、自分自身が表に出ることだけを考えていたのですが、これまで培ってきた「バレエを教える」というスキルを活かしたく、2019年の夏、初めて子どものバレエ・クラスを開催。たくさんの方に参加いただき、「楽しかった!」「もっとやりたい!」とのお声を頂戴したことから、スクール開校を決めました。母が2018年にニューヨーク州で設立したエンターテイメント会社のデパートメントの一つとして、2020年にバレエ・スクール「Petit Allongé Bella」を設立。ウェブサイトを立ち上げ、コロナ禍の間もオンライン・レッスンを行うなど、生徒さんが楽しく集まれる環境づくりを心がけています。

★指導者として大切にしていること
スクールには子どもから大人まで、個性豊かな生徒さんたちが集まっています。それぞれの性格や特徴をよく知り、コミュニケーションを取りながらレッスンに取り組むこと。また、定期的に行うパフォーマンスでは、1曲を踊りきるという「強い心」を養うことが大きな目的です。さらに、子どもたちには、挨拶をはじめとしたマナー全般(道具を大事にする、きちんと並ぶ、プレイグラウンドのように遊ばない等)を徹底的に指導しています。

★「バレエ・エクササイズ」とは
「クラシック・バレエ」と聞くと「敷居が高い」と思われがちですが、最近はバレエの形態も大きく変化。特に大人は「若々しい身体作りのため」というエクササイズにする程、身近になってきました。とは言うものの、やはりバレエは「スポーツ」ではなく「芸術」。長い歴史と伝統の中に受け継がれてきたバレエの理にかなったレッスンをお伝えするよう心がけています。レッスンでは、少しきついけれど効きそうだな、と感じる姿勢や立ち姿を、シンプルな動作で指導。私たちのレッスンに参加された方と、一緒に美しいものを追求していきたいですね。

★今後の予定
今春より、インパーソンでのアダルト・クラスをオープンさせます。レベルは、全くの初心者から、経験者まで、クラス分けを行います。詳細は、当教室のインスタグラム、またはウェブサイトをチェックしてください!その他、今年からは、またダンサーとして表舞台に立ちたいと思っています。自身のトレーニングも欠かさず、教養を学ぶことを怠らないようにし、内面的にも成長したい。最終的には、生徒たちの目標になるような指導者を目指したいですね。

isabella0229@gmail.com
www.petit-allonge-bella.com
instagram.com/petit_allonge_bella

Tweet
HOME