2022年1月28日号 Vol.414

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「生き方」が見えてくるのがジャズ

金澤 悠人
YUTO KANAZAWA
ギタリスト

・出身:東京都生まれ/福島県育ち

★ギターをはじめたきっかけ
中学2年の頃、友達が授業でギターを弾いていたのを見て、「自分も弾けるようになりたい」と思ったことがきっかけです。家にクラシックギターはありましたが、それまでは興味がなく、ギターの存在すら気にかけていませんでした。当時は野球部で、部活が終わってからは受験勉強ではなく、ギターを弾くことに一生懸命。歌も好きだったので、最初はクラシックギターで弾き語り系の曲を練習していました。ピアノや野球、歌など、いろいろ興味を持ったことはありましたが、ギターが環境的、身体的にも続けやすかったのだと思います。

★ジャズの醍醐味とは
自分の生きたいと思う生き方が見えてくるところでしょうか。ジャズを演奏していて自分だけが楽しくなるということは難しく、自分が楽しい時は周囲も盛り上がります。一度ニューオリンズに行った時に強く感じましたが、アメリカにおいてジャズとは単に「音楽」なのではなく、異なる人種の人々が集まる場所に栄えた文化そのもの。一方が徳をすれば他方はその分だけ損をする「ゼロサム」でない世界が魅力的なのだと思います。企業としてのセールスが必要になっているポップスや、演奏の再現技術に比重を置く現代のクラシック界とは異なり、ジャズは、即興演奏でコミュニケーションをとることが、目の前で起こっている出来事に意識・関心を向けやすい表現方法だと思います。スペインのフラメンコや中南米の音楽にも似たような要素はありますが、歴史を紐解いていくと双方共にアフリカの音楽と西洋音楽、特にジプシーやユダヤ系の音楽との繋がりが見えてくる部分も興味深いです。

★ニューヨークを選んだ理由
日本にいた時は、漠然と「ジャズ・ミュージシャンとして生きていくなら、多くのレジェンドが活動するニューヨークに行かなければ!」と思っていました。最初に渡米したのはボストン、神戸の甲陽音楽学院からバークリー音大に編入し、ビザ取得とアルバム制作後、NYに引っ越してきました。



★現在の活動
演奏活動は定期的に行っている「The Woodsiders Collective」や「MicroCorgi」など。他には、ブラジルの7弦ギターを使ってのラテンジャズ、フラメンコなどのライブ、レコーディング、編集なども行います。パンデミック中からSpotifyで配信を始め、サックスの三富悠斗さんとの「Utopia」、シンガーの伊澄純さんとの「No Day But Today」、コスタリカ出身のDiego Diazとの「Meditations」、日韓バンド「United East Jazz Quintet」等のトラックを、Spotify公式プレイリストに取り上げてもらっています。アフリカのベナン出身アーティスト「Kaleta & FroFayah」というアフロビート・ジャズバンドでも活動。個人レッスンも行っていますが、生徒さん達から多くのインスピレーションを受けることもまた楽しみのひとつです。

★目指すアーティスト像
元々はヘヴィーメタル、特にメガデスが好きでしたが、その後、ギタリストのアラン・ホールズワースやパット・メセニー、ウェス・モンゴメリー、サックスプレーヤーのジョン・コルトレーン、ジャズ・ベーシストのチャーリー・ヘイデン、マルチ楽器奏者のエグベルト・ジスモンチ、ピアニストのキース・ジャレット、ジャズ・トランペッターのマイルス・デイヴィスなどに傾倒。自分の心に響く音楽の成り立ちと表現方法を探しているうちに、クラシック、フリージャズ、ブラジリアン、フラメンコやラテンジャズなど、ジャンルを超えた色濃い「力」を感じるようになりました。また、Kaletaと演奏するようになってから、西アフリカ~中南米~ニューオリンズに繋がるリズムも感じています。これまで受けてきた影響を自分なりに集約していきたい。ビレッジバンガードに出演することも大きな目標です。

★今後の予定

●ライブ
・Woodsiders Collective:毎月第2土曜日@Sanger Hall(Sannyside)
 2/25@Claret(Sannyside)
・フラメンコギターデュオ:
 2/13@Anyway Cafe(East Village)
●シングル・リリース(Spotify、iTuneなど)
・「Isolation」1/31 ・「Giu」2/21

yutokanazawa@gmail.com
www.yutokanazawa.com
facebook.com/yutokanazawa2

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