2021年8月20日号 Vol.404

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演奏と制作、両方の活動を

又賀 純一郎
Junichiro Mataga
ジャズ・ピアニスト/作曲家/アレンジャー

・出身:新潟県

★ピアノを始めたきっかけは?
ピアノは6歳からで「友達が習っていたから」という軽い気持ちで始めました。小学生の頃は練習が嫌いでしたが、自分で言い出した手前、途中で辞めることもできず…当時はピアノに対してあまり良い印象を持っていなかったと思います。中学からギターも始め高校では軽音楽部に入部し、バンドで演奏していました。テクニック重視でロックやヘビメタ、フュージョンを聴くことが多く、徐々にジャズに近づいていきました。その頃からジャズのCDを聴き始め、大学に進んでからは「ジャズをもっと知りたい」と考え、ジャズ研に入りました。ジャズのイメージがピアノだったこともあり、本格的にジャズピアノをはじめました。

★プロになることを意識し始めたのは?
卒業後は、NEC中央研究所で振動音響工学の研究職員として従事する傍ら、演奏活動を続けていました。友人たちがプロのミュージシャンとして活動していたこともあり、次第に「自分もプロになりたい!」と考え、「今からプロになるなら、しっかりと勉強し、基礎力を養わなければ」と、アメリカ留学を目指すようになりました。回り道のようですが、研究職員として働き、音響や振動の分析、評価を学んだことは、現在の音楽活動に役立っていると思います。



★ジャズの醍醐味とは何でしょう?
ピアノトリオや、それよりも少ない人数形態では、「自由度が高い」ことが魅力。各人が自由に演奏することで、互いの駆け引きを「聴く」ことができます。また、フロント(サックスなど)を加えたカルテットやクインテットでは、ルールは増えますが、「バンドとしての一体感」が魅力。さらに、ビッグバンドになると、アレンジされた譜面を演奏する割合が増えますが、大勢で演奏することによる迫力や音圧は、小編成では味わえない。少人数から大人数まで、それぞれの異なる魅力こそが、ジャズの醍醐味だと感じています。

★NYを活動の拠点に選んだ理由は?
常々、アメリカで音楽を学びたいと考えていましたが、やはりニューヨークは最もジャズが盛んな場所。学ぶためには、「これ以上最適な場所はない!」と思いました。当初は、ボストンも視野に入れていましたが、ニューヨークの大学院に合格したことも、決め手となりました。

★ピアノ・トリオ・アルバム「Sketches」について
今回のアルバム 「Sketches」は、なるべく飽きないよう、色々な楽曲を取り入れたことが特徴です。10曲中8曲の楽曲を担当、アルバム全体を通して「一つの作品」として聴いていただけるような工夫を施しています。また、リピート再生した時、終わりと最初がスムーズに繋がって聴けるように配慮したので、ぜひ、リピートでも聴いていただきたい。ジャズの本場、ニューヨークで学んだことを表現したいと思いながら、完成させました。

「Sketches」のメンバー。(左から)山田吉輝(ベース)、又賀純一郎(ピアノ)、永山洋輔(ドラム)

★どんな「表現者」でありたい?
ニューヨークの音大に留学した目的の一つに、作編曲など、制作する技術も磨きたいと考えていました。演奏だけでなく、演奏と楽曲制作、両方の活動ができるアーティストになりたい。

★現在はどういった活動を?
不定期でレストランなどで演奏活動を続けています。また、会場はまだ決まっていませんが、今回のCDのリリース記念ライブも行いたいと思っています。最新情報は、SNSで発信していますので、ぜひご覧ください!

jun.mataga@gmail.com
https://j-mataga.com
facebook.com/junichiro.mataga


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