2021年3月12日号 Vol.393

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人としても魅力ある書画家に
田中 太山
書画家(書と絵を描くアーティスト)

Taisan Tanaka
出身:和歌山県太地町

ランドールズ・アイランドの「さくら祭り」でパフォーマンスを披露

★書家になろうと思ったキッカケは?
21歳の時。広島県で飲食店経営をしていて店内に飾っていた自分の作品をお客さんにほめられ、一念発起。当時はイラストと文字を合わせたものを書いていました。店を後任に譲り、アーティストを初めてみたものの、どうやって売り込んで良いかわからず、街を歩いていて目に入ったギャラリーや雑貨屋に片っ端から飛び込んで「作品を置いてくれませんか?」と頼んでまわっていました。でも、置いてくれるところはありませんでした。路上アーティストをしながら日本全国を旅していたのが2000年3月~6月です。その後、縁があり東京のお台場で自分のブースを作ってもらえるようになり、そこを拠点に2000年8月から本格的に活動を開始しました。

★目標とする人物は?
お台場を拠点に活動している時、あまりの人気で2〜3年で重度の腱鞘炎になり作品が作れなくなりました。当時はペンや鉛筆で書いていて、多忙に加えて筆圧が強すぎたのも原因だったみたいです。アーティストの友人から「君は筆圧が強いから毛筆でやるのが向いているのではないか?」と言われたことから、筆で絵と文字を書くように。書道はやった事がなく全くの独学でしたので伝統的な書よりも独創的な書、榊莫山(さかき・ばくざん)先生の作品に心惹かれました。榊莫山先生のように、作品の魅力だけでなく人としても魅力のあるアーティストになりたいです。

本人の書

★これまでに印象に残っているご自身のパフォーマンスは?
アメリカ軍が日本の震災の為に「ともだち作戦」を行った事への日本からの御礼の儀で、日本代表の書画家として招聘され、2011年7月に防衛省で行ったパフォーマンスです。その時、アメリカ軍のトップだったマイクマレン大佐が、パフォーマンス中の私の汗があまりにすごくて気になったのでしょう(緊張して本当に汗がすごかったんです)。おもむろに僕に近づいてきた大佐は、持っていたハンカチで僕の汗を拭いてくれたことで、場が一気に和やかなムードになり、僕の緊張も和らぎました。



★NYを活動の拠点に選んだ理由は?
2013年11月、日本クラブで初めてニューヨークで個展を開催しました。アメリカでの個展は、この時が初めてでしたが、その3ヵ月後、再びニューヨークで仕事をいただいたことで、直感的に「これはニューヨークで活動するべきだ!」と感じました。

ウェブスター・ホールでのイベントで「正月」と書く

★どういうシンガーになりたい?
作品の魅力だけでなく、人としても魅力のあるアーティストになりたい。目指しているのは、ニューヨーク中の美術館で、パフォーマンスを行うか作品展示をする事。せっかくニューヨークを拠点に活動しているので、それは成し遂げたいです。



★今後の予定は?
コロナ禍の影響でパフォーマンスやエキシビジョンは特にありませんが、その代わりに毎日インスタグラムへ作品を投稿、YouTubeではその作品の制作風景をアップしています。また、コロナ禍の影響でオンラインの書道クラスがとても増えました。学校からの依頼だけでなく、個人やグループからの依頼もあり、おかげさまでそれだけで1週間の予定はほぼ埋まっています。

shogakaboz@gmail.com
https://www.taisanofficial.com
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