2021年1月15日号 Vol.389

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厳しい環境下でもモチベーションを強く持つ
黒尾 宏光(画家)

Hiromitsu Kuroo

Hiromitsu Kuroo

★画家になろうと思ったキッカケは?
子どもの頃、当時流行っていたジャンプの「北斗の拳」や「キャプテン翼」を描いて、同級生や先生から褒められたことを覚えています。高校生の時、美大を受験する同級生と一緒に美術予備校に通い、「将来、画家になれたらいいな〜」という程度でした(笑)。

★影響を受けた人は?
高校生の時はレンブラント。その後は、スーチンやココシュカ、現在だとアントニ・タピエスから影響を受けています。共通しているのは、立体的な表現の絵画です。



★目標とする人は?
今はスペイン出身のManolo Valdesが好きです。彼はもともと彫刻家ですが、麻布を使ったダイナミックな平面作品も大好きです。平面や立体を飛び超えた自由自在な表現が、私の目標とするところです。

★これまでに印象に残っている(自身の)展示は?
ニューヨークに来て一番最初の個展。来訪者の一人から、「大きい抽象絵画を観た時、親に怒られ怖くて、テーブルの下に潜り込んだ時の、狭い風景を思い出した」と言われました。自分の中では広大なイメージで制作したのに、人それぞれ異なる見方をするんだな〜と、つくづく感じました。

© Hiromitsu Kuroo





★NYを活動の拠点に選んだ理由は?
大学在学中に2週間程、ニューヨーク旅行をしたことがあります。美術館やギャラリーの多さに驚き、また画材屋を訪れた際には木枠のサイズが1インチごとに細かく売っていたり(日本だと当時F〜号など決まったサイズのみだったので)、4メートル近い大サイズのキャンバスがあったりと、様々なことに圧倒されました。「ここで作品を作りたい!」と思いました。

★どういう画家になりたい?
今はブリーチを使い、漂白した色彩も含めた作品を作っています。コロナ禍の影響で画材も不足しているので、できるだけ絵具以外のもの、身の回りで使えるものを使用した表現方法を考えています。また、数年前に訪問したユタ州のネイティブアメリカンの壁画にも強く影響を受けました。強い日差しや、猛獣から逃げ、岩の上や狭い谷間に隠れながら描く壁画が、強く印象に残っています。彼らのように、厳しい環境下でも、強くモチベーションを持ち続け表現する画家に成りたいですね。

hirokuroo@gmail.com
https://www.hiromitsukuroo.com
instagram.com/hirokuroo




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