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現代美術の最前線
DEI論争の中での開幕
日本人作家も参加
「ホイットニー・ビエンナーレ2026」
2026年3月6日号掲載|4
ホイットニー美術館で、現代アメリカ美術を紹介する大規模展「ホイットニー・ビエンナーレ2026(Whitney Biennial 2026)」が3月8日(日)から8月23日(日)まで行われる。1932年に始まり、今回で82回目を迎える同展には、アーティスト、デュオ、コレクティブ合わせて56組が参加。過去2年間のアメリカ美術の動向を示す展覧会として国際的な注目度も高く、これまでにも社会的・政治的テーマを巡り、多くの議論を呼んだ。
2026年版は、大きな社会的転換期を背景に、現代社会の複雑な状況を多角的に反映する。「種を超えたつながり」「家族」「地政学」「テクノロジー」「神話」「インフラ」などをテーマに、インスタレーションや写真、サウンド、パフォーマンスなど幅広い作品が紹介される。
参加アーティストの顔ぶれも幅広く、米国外出身者も多い。ベトナム、アフガニスタン、日本、イラン、イラクなど、さまざまな地域にルーツを持つ。
沖縄県出身の写真家、石川真生は、沖縄に駐留した黒人兵士などを撮影した1970年代の写真作品を展示する。

奈良県出身でニューヨークを拠点に活動する音楽家でアーティストの恩田晃は、フィリピンの作曲家で民族音楽学者のホセ・マセダによる1974年のラジオ作品「Ugnayan(ウグナヤン)」について解説する。
同じくニューヨークを拠点に活動する鹿児島県出身のアーティスト、池添明も参加。池添は絵画や立体作品を手がける作家として知られている。
パレスチナ出身の抽象画家、サミア・ハラビーは、1936年生まれのベテラン。近年、展覧会中止問題で議論を呼び、政治と美術の関係を象徴する存在として再注目されている。
イラン生まれでニューヨーク拠点の画家、カムルーズ・アラムは、抽象と中東文化の視覚言語を組み合わせる絵画で知られる。
フィリピンと米国にルーツを持つデュオ、エンゾ・カマチョ&アミ・リエンは、植民地主義や資本主義、労働などをテーマに、映像やインスタレーション作品を制作。
アンドレア・フレイザーは、「制度批評(institutional critique)」の代表的作家で、現代美術界の構造そのものをテーマにする作風が有名だ。

トランプ政権による多様性・公平性・包摂性(DEI)への取り締まり強化を背景に開幕する本展。アーティストたちがこの現実にどのように向き合っているのか、これまで以上に注目度の高いビエンナーレとなりそうだ。
無料入館プログラム
25歳以下の来館者は毎日無料で入場できる「25&アンダー」を実施。他にも、毎週金曜の無料開放や、毎月第2日曜日の入場無料も継続する。ただしチケット予約が必要で、収容人数にも制限がある。入場チケットには屋外テラスへのアクセスも含まれ、リトル・アイランドやハドソン川、ミートパッキング・ディストリクトなど、マンハッタン屈指の眺望も楽しめる。
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Whitney Biennial 2026
■2026年3月8日(日)〜8月23日(日)
■ 会場:Whitney Museum American Art
99 Gansevoort St.
■https://whitney.org/exhibitions/2026-biennial
★無料入館プログラム(要オンライン予約)
■25歳以下:毎日10am〜6pm
■毎週金曜:5pm〜10pm
■毎月第2日曜:10:30am〜6pm