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Detail 117:露呈した日本の弱腰外交

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こうした日本側の動きに、中国外務省報道官は、「日本は即時に船長を解放すべきだ」とし、尖閣諸島周辺を自国の領土領海と強調した上で、「その海域で操業していた自国の漁船に日本の国内法が適用されるなど荒唐無稽。非合法で効力はない」と威丈高に主張。この間4度にわたって丹羽大使を呼びつけ、強硬な抗議を続ける一方、東シナ海ガス田開発問題の交渉延期を通告するなどした。さらに19日には、日本の検察による船長の2度目の勾留延長が決定し、起訴に向けた方針が明らかになると、「閣僚級の往来停止」「航空路線増便の交渉中止」「石炭関係会議の延期」「日本への中国人観光団の規模縮小」をひとまとめに決定、翌20日には、トヨタが中国で支出していた販売促進経費をワイロとして罰金を課す決定をし、中国にいたフジタ社員4人を「許可なく軍事区域を撮影した」と身柄拘束、レアアースの対日輸出を事実上差し止めるなど、あらゆる面から日本への圧力を強めた。日本の弱腰を見据えた恫喝的行為だった。

24日、首相の菅直人、外相の前原誠司が国連総会出席のため不在の中、那覇地方検察庁の次席検事が、「我が国民への影響や今後の日中関係を考慮して、船長を処分保留で釈放する」と発表、翌25日未明、船長は中国政府のチャーター機で帰国した。現場の一検察官が独断で決められることではない。指示したと見られる内閣留守居役の官房長官・仙谷由人は、「日中は重要な2国間関係だ。戦略的互恵関係の中身を充実させるよう両国とも努力せねばならない」と、関係修復に努める考えを示したが、国内世論は、「圧力に屈した」「主権喪失」などごうごうたる非難が渦巻いた。自民党など野党が政権批判を強めたのは当然だが、共産党の志位委員長までが「国民に納得のゆく説明を強く求める」との談話を発表した。

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国会では、海上保安庁が撮影した映像の公開を求める声が強まり、冒頭に述べた予算委メンバーだけに限定公開したが、神戸海保という現場とは遠い勤務先にいて巡視艇「うらなみ」の主任航海士に過ぎなかった一色正春が、一連の経緯を傍観する中で、ビデオ映像は広く公開されるべきだと考え、素材にアクセスできる立場を利用して公開を思い立ったのだった。

最初はCNN東京支局に映像を収録したSDカードを送ったが、受け取ったCNNが怪文書の類と判断違いして廃棄してしまった。一色はCNNが反応しないのを見て、自らネット上に投稿する他ないと判断、流出に際しては仙谷のローマ字をアカウント・ネームにした。その後、上司に映像を流出させた事実を告白したことで国家公務員法違反の事情聴取を受けたが、12月17日に辞表を提出した。国家公務員法の守秘義務違反については、同22日に警視庁が書類送検、東京地検は翌年1月21日に「入手方法に悪質さがない」として起訴猶予処分とした。

尖閣諸島について日本政府は前述の通り「領有権問題は存在しない」との立場をとっているが、であるなら、日本の領土として居住を認めるか、自衛隊を駐留させるか、せめて灯台やレーダー・サイトなどを整備するか、実効支配の証拠を示すべきなのに、何もしていない。中国に気兼ねして、上陸さえ禁止しているのだ。それでいて防備についてはことあるごとに、「日米安保条約第5条により、米軍が自衛隊と共同で防衛にあたる」と説明する。無人島のまま放置して明確な領海侵犯にも断固たる処置が取れていない小島を、アメリカが自国の青年の血を流してまで守ってくれると本気で信じているのだろうか。

日本政府によくあるチグハグな姿勢、そして厳格とは真逆の甘ったれた政策判断と国家経営が顕著に現れている実例の一つが尖閣諸島なのである。(敬称略、つづく)

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巡視船に衝突するシーン

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