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時代を音で描いた交響作品「トランプの肖像」抗議ではなく現代アメリカを問う「鏡」

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アーロン・コープランドの「リンカーンの肖像」にインスパイア
4楽章構成、語られる「自由と欺瞞」

2025年7月11日号掲載|3

ニューヨーク出身の作曲家、ジェームズ・コンポーザヴィスト氏は、オーケストラ作品「トランプの肖像(Trump Portrait)」を発表。7月4日から、アップルミュージック(Apple Music)やスポティファイ(Spotify)など、主要なストリーミングプラットフォームでの配信を開始した。

交響作品「トランプの肖像」
DVD Image

アメリカの独立記念日にあわせて配信された同作は、アメリカを代表する作曲家のひとり、アーロン・コープランド作「リンカーンの肖像(Lincoln Portrait)」に着想を得て制作。「政治的演説と音楽」を融合した画期的な作品で、伝統的なオーケストレーションに加え、トランプ大統領の発言を引用しながら、現代アメリカにおける「権力」「道徳」「分断」「幻滅」などのテーマを掘り下げている。

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作品は4部構成。第1楽章「プロローグ」はトランプの就任を告げるファンファーレで幕を開け、混乱の時代の到来を示す。第2楽章「目を見開いて」は、トランプ自身の言葉を基にし、真意や道徳観を聴き手に問いかける。第3楽章「詐取」は、語られたことと、実際の行動とのギャップを対比。名誉ではなく裏切りが浮き彫りにされる。第4楽章「欺瞞」は、詐欺の全貌を明らかにする。

「自由」「平等」「人民のための政治」といったリンカーンの名言を引用した「リンカーンの肖像」に対し、「トランプの肖像」は、現政権の矛盾と論争に向き合う内容となっている。

「この作品は、トランプ政権を単に批判したり風刺することが目的ではない」とコンポーザヴィスト氏。「19世紀にリンカーンが語った建国の理想と、ここ数年、目にしてきた現実の隔たりを作品に反映させようとした。7月4日は自由を祝うと同時に、それを脅かす真実に向き合う時でもある。『トランプの肖像』は、『抗議』ではなく、アメリカの現実を映し出す『鏡』である」と述べている。

政治的な立場を訴えるのではなく、現実を映した鏡「トランプの肖像」を通して、人々に「あなたは今、こう見えていますよ、これで良いのですか?」と問いかけている。

同作は、ユーチューブで英語と中国語で公開。また、全楽譜とパート譜は、上演を希望するすべてのオーケストラに無料で提供される。

Trump Portrait by James Composervist
https://youtu.be/c-s9j0k1HCI

交響作品「トランプの肖像」

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