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2025年3月14日号掲載|4
月・太陽・地球の共演
見逃せない2つの天体ショー
「ブラッドムーン」「部分日食」
今年2月28日の「フル惑星直列」に続き、3月は2つの天体ショーが起こる。ひとつは、「皆既月食」時に見られる赤い月「ブラッドムーン(Blood Moon)」(3月13日から14日にかけて)で、もうひとつは、太陽の一部が欠ける「部分日食」(3月29日)だ。

満月が赤く染まる「ブラッドムーン」
今回の「皆既月食」はおよそ2年半ぶり。「ブラッドムーン」は、太陽・地球・満月が一直線となり、完全に地球の影に隠れた月が赤く見える現象。太陽の光が地球の大気を通過する際、波長の長い「赤い光」だけが通り抜けて屈折、月に到達した結果、赤く見えるという仕組みだ。
アメリカ航空宇宙局(NASA)によれば、北米大陸(アラスカの一部を除く)と、南米大陸の西側=図①=で、皆既月食の全過程が観測可能となる。
月食全体の継続時感は6時間3分で、その内、皆既月食によるブラッドムーンが見えるのは1時間5分のみ。
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ニューヨーク(東部標準時間)での観測は真夜中。月が地球の影に入り始めるのは13日(木)午後11時57分から。この時点での変化は、肉眼では気が付かない程度。
日付が変わり14日(金)午前1時9分から部分月食が始まり、欠けた月が見えるようになる。
皆既月食、ブラッドムーンは、午前2時26分から3時31分までで、完全に地球の影に入った赤い満月が観測できる。その後、午前4時47分まで部分月食となり、午前6時には月が完全に地球の影から抜け出し、月食が終了する。
ちなみに今回は、月と地球が少し遠い位置になることから通常よりも小さく見える「マイクロムーン」になる。とはいえ、肉眼ではほとんど気が付かない程度だそうだ。
日本では、北海道、東北地方(一部を除く)、関東地方東部、小笠原諸島などで、欠けた状態の満月が昇る「月出帯食」が観測できる。
三日月風の日の出「部分日食」
昨年4月、北米で観測できた「皆既日食」(ニューヨーク市では部分日食)とは異なり、今回は太陽が三日月のような形に見える「部分日食」を見ることができる。観測できる地域は、北東アメリカ、ヨーロッパ、北西ロシア、アジアの一部、北西アフリカなど。
ニューヨーク市では3月29日(土)、日の出時(午前6時43分から7時5分まで)に、欠けた太陽が観測できる。隠蔽率21.83%程度で「太めの三日月」といったところだが、「欠けた太陽が昇ってくる」という珍しい現象となる。
いずれもレアな天体ショーだが、悪天候だと台無しに。ここは「てるてる坊主」に、願いをかけたい。
皆既月食、ブラッドムーン
■3月13日(木)〜14日(金)
・ブラッドムーン観測可能時間:14日(金)2:26am〜3:31am
部分日食
■3月29日(土)
・観測可能時間:6:43am〜7:05am
※上記は東部標準時間
参考:NASA
https://science.nasa.gov/solar-system/moon/what-you-need-to-know-about-the-march-2025-total-lunar-eclipse/