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器に宿る日本の美意識「日本陶磁器 ― 無限の芸術性」メトロポリタン美術館で

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器に宿る日本の美意識
13,000年の陶芸史をたどる
「日本陶磁器 ― 無限の芸術性」メトロポリタン美術館で

2026年2月11日投稿

メトロポリタン美術館で2026年1月19日から2027年8月8日まで、日本美術ギャラリーで展覧会「日本陶磁器 ― 無限の芸術性(The Infinite Artistry of Japanese Ceramics)」(キュレーター:日本工芸担当学芸員モニカ・ビンチクを展開している。日本の縄文時代に始まる陶芸の起源から現代に至るまで、13,000年以上にわたる日本陶芸の歩みを、同館所蔵品を中心とした約350点の作品で紹介する。

色絵三壺文小皿
色絵三壺文小皿

本展は、展示替えを5回行いながら作品を公開。なかでも、重要収蔵から50周年を迎えるハリー・G・C・パッカード・コレクションに焦点を当て、これまでほとんど、あるいは一度も公開されてこなかった作品群を含めた構成となる。同館マリーナ・ケレン・フレンチ館長兼CEOのマックス・ホライン氏は、「本展は、日本陶芸の本質である深い創意工夫と美的多様性を明らかにするもの。縄文の出土品から現代作家の大胆な表現まで、日本陶芸の世界を紹介する」とコメントを残している。

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展示は10のテーマ別ギャラリーで構成され、中国、朝鮮半島、ヨーロッパとの長い文化交流の中で育まれた日本陶芸の多様性を検証。素材や技法、用途、作品に込められた意味がどのように交差し、持続的な陶芸文化を形づくってきたかを探る。

会場では、中世の自然灰釉による抽象的表現を示す器、優美な青磁などの単色釉陶器、金継ぎで修復された茶壷、花や昆虫文様の染付、徳川将軍家のために制作された鍋島焼の名品などを紹介。茶の湯文化に焦点を当てたギャラリーでは、侘び茶や懐石料理の発展とともに、茶人・古田織部(1544〜1615)の美意識を体現する17世紀初頭の青織部蓋物などが展示される。

志野橋文茶碗 「神橋」
Shino Teabowl with Bridge and House, known as
“Bridge of the Gods” (Shinkyō)Japan,
Momoyama period (1573‒1615),
Ishizara Plate with Design of Human Face
Japan, Edo period (1615‒1868)

さらに、東海道を行き交った庶民の日用品から、大名・武家の祝宴用に作られた磁器や鍋島、漆器まで、食文化と陶芸の関係を示す作品も並ぶ。江戸時代の婚礼衣装や能装束、蒔絵、絵画と併せて展示することで、陶芸が花開いた当時の視覚文化全体への理解を深める構成となっている。

本展の核となるハリー・G・C・パッカード・コレクションは、仏像、絵画、陶磁器など400点超から成り、同館日本美術コレクションの礎を築いた画期的な収蔵群。公開される焼き物の数々は、日本陶芸の創造性と活力、そして不朽の遺産を伝えている。

The Infinite Artistry of Japanese Ceramics
■2026年1月19日~2027年8月8日
■会場:The Met Fifth Avenue(Gallery 199/1階)
 1000 Fifth Avenue
■大人$30、65歳以上$22、学生$17、13歳未満無料
 NY州在住者よびNY/NJ/CT州の学生(要ID)は入館料任意
 ※チケット1枚に付き最低料金$0.01
https://www.metmuseum.org

色絵三壺文小皿

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