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 よみタイムについて
 

よみタイムVol.139 2010年6月18日発行
号掲載

ライブパフォーマンスの祭典
リンカーンセンター・フェスティバル
7月7日(水)〜25日(日)


夏のニューヨーク最大の舞台芸術の祭典、「リンカーンセンター・フェスティヴァル」が今年もやってくる。リンカーンセンターが行うこのフェスティヴァルは世界的にも類を見ない大規模なもの。その知名度よりもその質の高さで厳選された超一流のシアター(演劇)カンパニー・ダンスカンパニー・音楽演奏団体が世界中からここニューヨークに集結する。その内容も充実の一言で、普段なかなか上演されることのない通好みの演目が目白押し。舞台芸術ファン垂涎の三週間となること間違い無し。さあ、一つでも多くのこの極上のライブパフォーマンスを体験しよう!(文・木川貴幸)


Teorema (Photo by Jan Versweyveld)

総合ライブ・パフォーマンスの祭典、リンカーンセンター・フェスティヴァル2010は、7つの会場で合計45回もの公演が行われる。演奏団体やパフォーマーの出身国は10カ国以上に上り、世界初演・アメリカ初演・及びニューヨーク初演となる演目は計10、まさにコスモポリタン・ニューヨークならではの芸術祭となる。
 今年の特色は、昨年に続いて質の高い演劇作品が数多く上演されること。伝統あるものから新進気鋭のものまで世界中から一流のシアターがこのフェスティヴァルのために「引っ越し公演」を行いにやってくる。
パフォーマンス
オープニングデーを飾る
注目作品「ムサシ」



A Disappearing Number (Photo by Robbie Jack)

Musashi (Photo by Takahiro Watanabe)
 演劇作品では魅力的な5つの作品が上演される。オープニングデーを飾り、かつ最も注目されているのが、世界的に知られている演出家、蜷川幸雄が作家・井上ひさしとのコラボレーションで上演する新作「ムサシ(Musashi)」(主催:ホリプロ)。これがアメリカ初演となる。剣豪、宮本武蔵とライバル佐々木小次郎の決闘物語を、井上ひさしが独創的にシリアスかつコミカルに発展させたストーリー展開。見所満載の大作。主役の武蔵を演じるのは若手実力派俳優の藤原竜也。なお、蜷川と藤原にとってリンカーンセンターフェスティヴァル出演はこれが2回目(前回は2005年、三島由紀夫作「近代能楽集」)。
 そして今回のフェスティヴァルの大きな話題の一つは、ガバナーズアイランドで大作公演が行われるということで、「悪霊(The Demons)」がそれ。ベルリン生まれの名演出家ピーター・ステインがドストエフスキーの長編小説を原作に、アナーキズム、ニヒリズム、無神論、社会主義革命といったシリアスなテーマを12時間の長きにわたって探求する。アメリカ初演。
 同じくガバナーズアイランドで上演されるのが「テオレマ(Teorema)」。ピエル・パオロ・パゾリーニ監督の同名映画をベルギーの演出家イヴォ・ヴァン・ホーヴェがトネールフループ・アムステルダムと共に上演。一人の見知らぬ男の来訪のために崩壊していく中産階級家族の姿を描いた作品。アメリカ初演。
 オリヴィエ賞受賞者のサイモン・マクバーニーが彼の演劇集団コンプリシテと送り出すのは「消える数(A Disappearing Number)」。20世紀の天才数学者の二人、シュリニヴァーサ・ラマヌジャンとゴッドフレイ・ハロルド・ハーディのミステリアスかつロマンティックな研究生活を見つめながら、「何が永遠で何が永遠に消滅するのか」という命題を鋭く描写する。ニューヨーク初演。
 また、注目したいのがこの人形劇。レゾ・ガブリアーズとトビリシ市立劇場スタジオ(Tbilisi Municipal Theatre Studio)が「スターリングラードの戦い(The Battle of Stalingrad)」をパペットシアター・ヴァージョンで上演。ガブリアーズの上演するパペットシアターは人形劇とは思えないほど機知に富み、生き生きとしていることで常に高い評価を得ている。ステージ上から人形たちが、人間なら誰もが抱える問題、そして政治問題などを説得力も強く、鮮やかに聴衆にうったえかける。
ミュージック
4つの個性的で多彩なプログラム


The Blind Boys of Alabama (Photo by Shannon Brinkman)

Edgard Varese

Emir Kusturica (Photo by Dragan Teodovic Zeko)
 音楽コンサートは今回も個性的で多彩なプログラムが4つ用意されている。まずは西アフリカはベニン出身の、まさに知る人ぞ知る「オーケストラ・ポリリズモ・コトノー(Orchestra Poly-Rythmo de Cotonou)」。西アフリカではカルト的な存在だが、今回が彼らにとってアメリカ初公演となる。ベニンの「サト」や「サクパタ」と呼ばれる独特のリズムにファンク、ラテン、ジャズなどなど様々な要素が混ぜ合わさった独特のサウンドを持つ。活動期間は30年以上になり、一時は休業状態のように思われた期間もあったが、近年再ブレイク。
 安定した人気を保つ息の長いユニット、アラバマ出身の「ゴスペルグループ、ザ・ブラインド・ボーイズ・オブ・アラバマ(The Blind Boys of Alabama)」は三回のライヴを行う。70年以上にわたってゴスペルシーンのみならずポピュラーミュージックにも影響を与え続けてきたこの伝統的グループの音楽を堪能するチャンス。なお、三公演ともそれぞれ違ったゲストたちが出演する予定なのでそちらも楽しみ。
 映画監督・ミュージシャン・俳優とマルチなタレントを発揮し続けるサライェヴォ出身のエミール・クストリッツァ(彼はカンヌ映画祭の最高賞のパルム・ドールを二度受賞している)。その彼が率いる「エミール・クストリッツァ&ノー・スモーキング・オーケストラ(Emir Kusturica & The No Smoking Orchestra)」が、彼らのアメリカデビューとなる一回きりのライブを行う。ロック・パンク・ジプシー・ジャズ・スカ、等々多種多様なジャンルが混ぜ合わさった独特のサウンドを提供し続けている彼ら。今回はどんなパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみ。
 そして今回の音楽コンサート部門で最も注目されているのが「ザ・コンプリート・ワークス・オブ・エドガー・ヴァレーズ(The complete works of Edgard Varese)」。パリに生まれ、「電子音楽の父」とも呼ばれ現代音楽の発展に多大な功績を残し、ニューヨークに没したヴァレーズ。彼の全作品をニューヨーク・フィルハーモニック、同交響楽団音楽監督のアラン・ギルバート、現代音楽演奏アンサンブルのインターナショナル・コンテンポラリー・アンサンブル、ソー・パーカッション等が二夜にわたって演奏する。このコンサートのタイトルは「Varese: (R)evolution」。あまり生演奏で聴くチャンスのないヴァレーズの独特の響きの世界にたっぷりと浸ることのできる貴重なコンサート。
ダンス
注目は
勅使川原三郎の 「ミロク」



Saburo Teshigawara (Photo by Bengt Wanselius)

Bill T. Jones:Arnie Zena Dance Company
(Photo by Russell Jenkins)
 ダンス部門で最も注目したいのがダンサー、舞踏家、振付師、演出家、俳優、ビジュアルアーティスト等々として精力的に活動する勅使川原三郎のパフォーマンス、「ミロク(Miroku)」(勅使川原も2006年に続いて同フェスティヴァル2回目の出演)。勅使川原独特の密度の非常に高い、緊張感のあるパフォーマンスワールドに期待。ニューヨーク初演。
 ベテランダンサー・振り付け師のビル・T・ジョーンズはアメリカで絶賛された作品、「Fondly Do We Hope...Fervently Do We Pray」を彼自身が主催するダンスカンパニー、ビル・T・ジョーンズ/アーニー・ゼインダンスカンパニーにとともに上演。第16代アメリカ合衆国大統領エイブラハム・リンカーンをテーマにし、戦争・人種差別・奴隷制度といった社会問題をダンスにより投げかける。
 また、タイからはピチェ・クランチェン・ダンスカンパニーが「変容(Chui Chai)」を上演。 ダンサー・振付師のクランチェンはタイの古典仮面舞踏「コーン」を学び、後にコンテンポラリーダンスをも習得した。タイの伝統的な古典舞踏とコンテンポラリーダンスをミックスした新世代のエキゾチックなダンスが堪能できそう。
オペラ
繊細な心理劇が展開


The Demons (Photo by Tommaso Le Pera)
 最後にオペラを一つ。今回のフェスティヴァルでは、イタリア人作曲家サルヴァトーレ・シャリーノが創作したコンテンポラリーオペラ「法の扉(La Porta della Legge)」がヴッパータール・オペラによって上演される。シャリーノは現在最も才能があり、かつ実力を世界的に認められている現代音楽作曲家の一人。かのフランツ・カフカの小説「審判」をベースに、シャリーノ独特の刺激的音楽が絡みながら繊細な心理劇が展開されてゆく。出演はエッケハルト・アベーレ(バリトン)、ガーソン・セールス(カウンターテナー)など。ヴッパータール交響楽団が演奏、指揮はヒラリー・グリフィス。アメリカ初演。
インフォメーション
チケット問合せ:Tel: 212-721-6500
www.LincolnCenterFestival.org


会場:
David H. Koch Theater:Columbus Ave. at 63rd St.
Governors Island:10 South St.のMaritaimeビルから無料のフェリー有り
Clark Studio Theater:Rose Building, 165 W. 65th St., 7th Fl.
Gerald W. Lynch Theater:John Jay College, 899 Tenth Ave. bet. 58th & 59th Sts.
Alice Tully Hall:65th St. & Broadway
Avery Fisher Hall:65th St. & Broadway
Rose Theater:Frederick P. Rose Hall, 60th St. & Broadway
スケジュール
■Musashi
 7月7日(水)7:30pm
 8日(木)7:30pm
 9日(金)7:30pm
 10日(土)7:30pm
@David H. Koch Theater
$35/55/75/100

■Miroku
 7月9日(金)8:30pm
 10日(土)8:30pm
 11日(日)3:00pm
@Rose Theater
$30/40/50/60

■The Demons
 7月10日(土)・11日(日)
 11:00am〜11:00pm
@Governors Island
$175/225

■Orchestra Poly-Rythmo
 de Cotonou
 7月11日(日)8:00pm
@Gerald W. Lynch Theater
$30/40

■The Blind Boys of Alabama
 7月12日(月)8:00pm
 14日(水)8:00pm
 16日(金)8:00pm
@Alice Tully Hall
$35/45

■Emir Kusturica &
 The No Smoking Orchestra
 7月14日(水)8:00pm
@Avery Fisher Hall
$30/40/50

■A Disappearing Number
 7月15日(木)8:00pm
 16日(金)8:00pm
 17日(土)2:00pm/8:00pm
 18日(日)3:00pm
@David H. Koch Theater
$35/55/75/100■Fondly Do We Hope...
 Fervently Do We Pray
 7月15日(木)8:00pm
 16日(金)8:00pm
 17日(土)8:00pm
@Rose Theater
$30/40/55/75

■Teorema
 7月15日(木)7:00pm
 16日(金)7:00pm
 17日(土)2:00pm/7:00pm
 18日(日)3:00pm
 19日(月)7:00pm
@Governors Island
$40/65

■Varese: (R)evolution:
 The complete works of
 Edgard Varese
 Part 1:7月19日(月)8:00pm
@Alice Tully Hall
$30/40
 Part 2:7月20日(火)8:00pm
@Avery Fisher Hall
$30/40/50

■La Porta della Legge
 7月20日(火)8:30pm
 21日(水)8:30pm
 22日(木)8:30pm
@Gerald W. Lynch Theater
$35, 55, 75

■The Battle of Stalingrad
 7月20日(火)7:00pm
 21日(水)6:00pm/9:00pm
 22日(木)6:00pm/9:00pm
 23日(金)7:00pm
 24日(土)3:00pm/7:00pm
 25日(日)3:00pm/7:00pm
@Clark Studio Theater
$50/60

■Chui Chai
 7月24日(土)8:00pm
 25日(日)3:00pm
@Gerald W. Lynch Theater
$30/40/50