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 よみタイムについて
 

よみタイムVol.138 2010年6月4日発行
号掲載

8つの美術館が
無料開放!
ミュージアム・マイル
MUSEUM MILE


今年も恒例のミュジアムマイル・フェスティバルが開催される。セントラルパーク東側、美術館が立ち並ぶ82丁目より104丁目までの5番街は歩行者天国として開放され、路上イベントが盛りだくさんだ。パントマイム、ジャグラー、ヒップホップからジャズの生演奏、路面のチョークアートなどを楽しみながら、メトロポリタン、グッゲンハイムを含め美術館8館を無料で観覧できる良いチャンス。(文・古屋オリ子)

6月8日(火) 6:00pm〜9:00pm
5th Ave. Bet 82nd〜104th St
www.museummilefestival.org
 

透き通るような若葉に陽光がさし、さわやかな初夏の風が頬をなでる季節。セントラルパークの木々と5番街の並木が織り成す緑のトンネルをゆっくりと歩き、フェスティバルに興じる人々を眺めるだけでも心軽やかになる。ニューヨークでもひと際美しいこの一角は、アメリカ経済が世界を席巻し始めた19世紀末から20世紀初の間、時代の寵児達が競うように瀟酒な屋敷を造った場所である。クーパー・ヒューイット国立デザイン美術館は鉄鋼王アンドリュー・カーネギーの元私邸。木彫の階段、シャンデリアなど当時の佇まいを充分に残している。ノイエ・ギャラリー、ナショナル・アカデミー、ジューイッシュ美術館もそれぞれ資産家の邸宅であった。この機を利用して「豪邸拝見」気分で覗いてみるのも楽しいだろう。あるいはメトロポリタン美術館ファサードに代表されるヨーロッパ古典主義のボザール様式建築を外から観察するのも一興である。タウンハウスのあちこちに認められるこれ見よがしの当時のスタイルは、時を経て品格と優美ささえ漂わせている。
 最大のアトラクションはもちろん純粋な芸術鑑賞である。3時間という時間制限のため、じっくりと味わうためには8館の中から2ヶ所程度を選ぶのが賢明だろう。芸術とお祭り両方を満喫したい向きには、本年度ホスト役を務めるラテン文化の美術館エル・ムセオ・デル・バリオが企画する音楽とダンスのプログラムがお薦めである。あるいはロケハンという名目で8館全てを駆け巡っておけば、今後の知識となり役に立つこと請け合いである。
105th Street

Rafael Ferrer El Cuarteto (The Quartet), 1981 Oil on canvas, 63 x 69 inches Collection Tom McCall Photo courtesy Nancy Hoffman Gallery
エル・ムセオ・デル・バリオ
El Museo del Barrio
1230 Fifth Ave. @ 105th St.
(212) 831-7272
www.elmuseo.org

5:45pmから
オープニングセレモニー


バリオとは「近所」と言ったような意味。地元のプエルトリコ文化を保護育成する目的で設立されたが、総じてカリブ海、広くはラテン・アメリカ文化を紹介している。フェスティバルと同時にオープンする特別展「過去・現在:ラファエル・フェレルの芸術/Retro/Acrive: The Work of Rafael Ferrer」は、トタン板、ネオン、葉っぱ、氷などを使ったゲリラ的彫刻で注目されたプエルトリコ出身の芸術家ラファエル・フェレルの50年余にわたる活動を回顧する。当美術館は本年度フェスティバルのホスト役として5時45分に開会宣言を行う。ラティーノ・ヒップホップ:P-STAR(6:00〜6:45pm)、アフロ・ラテン・ダンス:The ABAKU(6:45〜8:00pm)などを企画しており、周辺は賑やかになりそうである。
103rd Street
ニューヨーク市博物館
Museum of the City of New York
1220 Fifth Ave. at 103rd St
(212)534-1672
www.mcny.org


ニューヨークほど色彩豊かな人種モザイクが見られる町は世界広しと言えども他にない。時には反発し合い、時には融合してこのモザイクの構成は常に変容してきた。そのユニークな歴史を知るために第一に訪れるべき場所がニューヨーク市博物館である。特別展「アメリカの市長:ジョン・V・リンゼイ/America's Mayor: John V. Lindsay」はベトナム戦争、市民権運動に揺れる60、70年代に様々な物議を醸したニューヨーク市長リンゼイを写真、ビデオなどで再評価。博物館は6月25日から始まる写真展「ニューヨークのサムライ/Samurai in New York」にたくさんの日本人が訪れることを期待している。

Chalk Drawing Designs
The New York Academy of Medicine
93rd Street
Sammie & Tudie's Imagination Playhouse
92nd Street
ユダヤ美術館
The Jewish Museum
1109 Fifth Ave. at 92nd St.
(212)423-3200
www.thejewishmuseum.org

ユダヤ文化を広く紹介するために1904年設立された当美術館は、常設展示に加え、より広い視野から様々な優れた企画を試みている。アパルトヘイトに蝕まれた社会を見据えた写真展「 南アフリカの写真:デビッド・ゴールドブラット/South African Photographs: David Goldblatt」の他、「キュリアス・ジョージの楽しい一日/Curious George Saves the Day」展ではH. A. レイ夫妻の原画イラスト、メモやノートを展示し、夫妻の辿った数奇な人生を紹介している。
91st Street

Cabbage Chair, prototype. Oki Sato (Japanese, b. 1977), Nendo. Japan, 2008. Pleated paper. Photo: Masayuki Hayash
クーパー・ヒューイット
国立デザイン博物館
Cooper-Hewitt,
National Design Museum
2 East 91st St.
(212)849-8400
www.cooperhewitt.org

壮麗な私邸を利用した他の美術館に比べ、ここは人の温もりを感じる居心地の良さに包まれている。それは鉄鋼王アンドリュー・カーネギーが「富を持って死ぬことは不名誉である」と考え、晩年この私邸に生活の足場を置いて慈善事業に勤しんだためかもしれない。現在一部工事中であるが、草花の生い茂る庭園が明るく爽やかである。3年に1度の大展覧会であるコンテンポラリー・デザイン展が「なぜ今デザインか? / Why Design Now?」と題して開催中。

Chalk Drawing Designs
Carnegie Hill Neighbors
90th Street
ナショナル・アカデミー美術館
National Academy Museum
1083 Fifth Ave. @ 90th St.
(212) 369-4880
www.nationalacademy.org


ファサードが柔らかな丸みを帯び、ボザール様式のタウンハウスとしては繊細で女性的な趣のある美しい建物である。実業家ハンティントン夫妻が年月と巨費をかけて極めたインテリア・デザインの一部を床面や天上、窓、階段などに見ることができる。現在開催中の「 第185回:アメリカ現代芸術の招待展覧会/185th Annual: Invitational Exhibiton of Contemporary American Art」はミュジアムマイル・フェスティバルとともに終了する。

Hayes Greenfield Jazz Duo
Silly Billy the Very Funny Clown
Live model drawing class for children ages 8 to 12
Church of the Heavenly Rest
89th Street

Joan Jonas-Mirror Piece I, 1969 Chromogenic print, 101 x 55.6 cm-Solomon R. Guggenheim Museum, New York, Purchased with funds contributed by the Photography Committee 2009.31
グッゲンハイム美術館
Guggenheim Museum
1071 Fifth Ave. at 89th St.
(212) 423-3500
www.guggenheim.org


フランク・ロイド・ライトのデザインによる螺旋状の建築は、あまにも有名なニューヨーク名所の1つである。昨年秋の築50周年記念を機に外壁は純白に塗り替えられ、そのモダンな姿は歴史的な街並の中で目映いばかりである。特別展「取り憑かれて/Haunted」が開催中。写真あるいは写真を使った作品、ビデオ、パフォーマンスを通して人間の心の深層に潜む意識を探り出そうと試みている。イギリスの映像作家タシタ・ディーンのビデオ・インスタレーション「 静止/ Stillness」は昨年死去した舞踏家マース・カニンガムがじっと座る姿を等身大で4つのスクリーンに映し出し、カニンガムの時空を超えた絶対的な存在感を表現している。
Chalk Drawing
IRUBNY
88th Street
Daisy Doodle's Parties, Magic, Face painting & Balloons!
87th Street
Juggler Josh
86th Street

Otto DIX (1891-1969) Portrait of the Dancer Anita Berber, 1925 Oil and tempera on plywood, 120.4 x 64.9 cm (47 3/8 x 25 1/2 in.) Sammlung Landesbank Baden-W殲ttemberg im Kunstmuseum Stuttgart ゥ 2010 Artists Rights Society (ARS), New York/VG Bild-Kunst, Bonn
ノイエ・ギャラリー
Neue Galerie New York
1048 Fifth Ave. @ 86th St.
(212) 628-6200
www.neuegalerie.org


ノイエ(ドイツ語:「新しい」の意)ギャラリーは、主にドイツ・オーストリアの20世紀美術を専門としている。特に世紀末芸術の代表エゴン・シーレとグスタフ・クリムトのコレクションは世界屈指と称される。金色を背景として平坦に描かれた「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 I/Adele Bloch-Bauer I」(2階に展示)はクリムトの特徴が最も美しく表れた必見の傑作だ。特別展「オットー・ディックス/Otto Dix」は、第一次大戦の凄惨な場面やグロテスクなまでに写実的な肖像画を描いたドイツの異色画家オットー・ディックスの回顧展である。1階のカフェ・サバスキー(Cafe Sabarsky)では、ヨーロッパ風の雰囲気の中で美味しいウィンナーコーヒーとケーキ、あるいはソーセージとポテト料理を比較的手頃な値段で楽しむことができる。
82nd Street
メトロポリタン美術館
The Metropolitan Museum of Art
1000 Fifth Ave. at 82nd St.
(212) 535-7710
www.metmuseum.org


世界三大美術館の1つ。セントラルパークを背に2ブロックを占める壮大な建物には、古代から現代まで世界の芸術の粋が詰まっている。フェスティバル時は一部のみのオープン(部門は未定)となるが、主に古代・中世を扱う1階は入館可能となりそうである。グレートホール左側のギリシャ・ローマ館は5年間の改修工事の後2007年にオープンし、その規模と内容から美術館の中のもう一つの美術館と呼ばれるに相応しい。その右奥のオセアニア部門には、ニューギニアのアスマット族の先祖を祀る木製ポール9体がそそり立ち、力強い原始的な気を発している。グレートホール右側のエジプト館では現在、特別展「ツタンカーメンの葬儀/Tutankhamun's Funeral」が開催中。18歳で逝った少年王のミイラを包んだ布や葬礼品を展示している。奥左のギャラリーは古代エジプトの「デンドール寺院/Temple of Dendur」が収められた深閑とした空間。フェスティバル途中で静かなひと時を過ごすには格好の場所である。