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マジンガーZやウルトラマンも!マザーズボー「ポストカード・スーパーヒーロー」

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マジンガーZやウルトラマンも
光で変わるヒーロー像
マザーズボー「ポストカード・スーパーヒーロー」

2026年3月6日号掲載|2

ニューウェーブバンド「ディーヴォ(Devo)」の創設メンバーとして知られるミュージシャンで、ビジュアルアーティストとしても活動するマーク・マザーズボーの版画展「ポストカード・スーパーヒーローとその他の思索(Postcard Superhero and other Contemplations)」が、キ・スミス・ギャラリー(Ki Smith Gallery)で4月5日(日)まで開催されている。

Puzzling Evidence - Series #001 Screenprint
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マザーズボーは自身を「現代社会科学者(contemporary social scientist)」と称する。ディーヴォを結成した1970年代初頭、その頃の「アート」に違和感を抱き、「アーティスト」という呼称を避け、自らを区別するために用いた言葉だという。

当時から、郵送によって作品を送る「メールアート」を継続的に制作。ポストカード大の作品もそうした実践の一環で、カードには歌詞の断片や舞台構想、衣装のアイデアなども記され、自身の「イメージバンク」として蓄積していった。

「ポストカード・スーパーヒーロー」シリーズの原作は1978年に制作されたポストカード大のコラージュだ。レコード契約をめぐる訴訟のためロンドンに滞在していたマザーズボーは、ヴァージン創業者リチャード・ブランソンが所有していたテムズ川のハウスボートでこれらを手がけた。

マザーズボー
作品を手にするマザーズボー Photo courtesy: Mark Mothersbaugh, Postcard Superhero and other Contemplations @Ki Smith Gallery

作品名にある「スーパーヒーロー」からは、スーパーマンやバットマンといった米国のヒーロー像を想起させるが、構図に登場するのは、マジンガーZやウルトラマン、仮面ライダー、ゲッターロボなど、日本のヒーローたち。これらのイメージについてマザーズボーは2022年のインタビューで、「ロサンゼルスのチャイナタウンで購入したスキンタトゥー・シールを素材として用いた」と明かしている。郵便切手や、ロンドン滞在中に入手した新聞の図版などもコラージュに使用された。

1985年、これらの原作はロサンゼルスのリチャード・ドゥアルドの版画工房(のちのModern Multiples)で拡大され6点から成るシリーズとして版画化された。6色刷りのシルクスクリーン(セリグラフ)で制作され、通常のCMYKに加えて蛍光インクによる色分解、さらに蓄光インク(光を吸収し暗闇で発光するインク)が加えられている。
作品は通常光の下では一つの画面として見えるが、ブラックライトを当てると蛍光インクが鮮やかに発色し、完全な暗闇では蓄光インクによる別のイメージが浮かび上がる。6点それぞれに昼間には視認できない図像が仕込まれていて、光の条件によって画面が変化する三段階の視覚体験を生む作品となっている。

本展では同シリーズのほか、同時期に制作された思索的な作品群も紹介されている。

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Postcard Superhero and other Contemplations
■2026年2月28日(土)〜4月5日(日)
 水〜日12:00pm – 6:00pm
■会場:Ki Smith Gallery
 170 Forsyth Street
■入場無料
https://www.kismithgallery.com/postcard-superhero-and-other-contemplati

マザーズボー

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