大岩オスカール個展「OSCARSCAPE」
社会風刺に満ちた世界観
ニューヨーク市在住の日系ブラジル人アーティスト、大岩オスカールの個展「OSCARSCAPE」が、ミッドタウンイーストの画廊で7月から始まり、来年7月まで1年間開催されている。

16点の油絵と、オリンピックにインスピレーションを得た鳥瞰図的な構図のドローイング作品「Zeus the God of Olympia」=写真=が展示。壁一面を埋める大型作品だ。2016年のリオ五輪、2021年の東京五輪、そして今年のパリ五輪を描いている。
大岩は、1965年ブラジルのサンパウロで生まれ、育った。両親は日本人。サンパウロ大学で建築学を学び、90年代は東京の建築事務所で働いていた。その間ロンドンでも1年間を過ごし、奨学金を得てニューヨークに活動の拠点を移したのは2002年だ。
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幼い頃から美術に親しみ、建築家として働きながらアーティストとしての活動も同時進行していた。物語性と社会風刺に満ちた世界観を、独特のユーモアと想像力で、力強くキャンバスに表現するアーティストとして評価されている。
緻密なタッチや鳥瞰図的な構図、新聞記事などから社会問題の糸口を探る視点、入念なリサーチをもとにした大画面といった作風は、多くのファンを惹きつけ、世界中の美術館に作品が収蔵されている。
- ■2025年7月まで
■会場:Tower 49 Gallery
12 E. 49th St.
※1階ロビーと24階
■入場無料
■www.tower49gallery.com