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今年は「クジラの当たり年?!」
ニューヨーク沖で目撃増!
ホエールウォッチング2選
2025年7月25日号掲載|5
近年、ニューヨーク沖でのクジラ目撃数が増している。研究団体「ゴッサム・ホエール(Gotham Whale)」の発表によると、2011年に5頭だった目撃数が、2024年には160頭以上となり、その増加幅は著しい。今年もクジラの目撃報告は続いており、専門家から、「この夏はクジラの当たり年!」との声も聞こえている。
こうした状況を受けて、現在、ホエール・ウォッチングツアーに注目が集まっている。ここでは2つのツアーを紹介しよう。

ブルックリン発
「アメリカン・プリンセス号」
ニューヨーク市で初めて本格的なクジラとイルカの観察を目的として始まったクルーズツアー「ホエールウォッチング&ドルフィン・アドベンチャークルーズ」は今年16年目を迎える。専用船「アメリカン・プリンセス号」に乗船し、大西洋に生息する野生の海洋哺乳類を観察する。所要時間は約3時間半。


出港は、ブルックリンのシープスヘッド・ベイにあるピア8から。クルーズルートは、哺乳類観察チームがトライステートエリア(NY・NJ・CT)で24時間体制で集めたデータをもとに、キャプテンがその日毎に決定する。ロッカウェイ沿岸を航行する日もあれば、ラリタン湾へ向かう日、ニュージャージー南西部を進む日、ロングアイランド方面へ向かう日、陸から数マイルの外洋に出る日などさまざまだ。いずれの航路でも、陸地やニューヨークのスカイラインが視界に入る距離を保っている。
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経験豊富なスタッフにより、クジラやイルカの目撃率はなんと97%以上。鯨類に精通したナチュラリスト(自然解説員)が同船し、観察のポイントや海の生き物について丁寧に説明する。
海面が盛り上がるように見える時は、ハンドウイルカの群れが近くにいるサイン。運が良ければ、数百頭のイルカが、船の近くで跳ねたり船底をすり抜けたりするダイナミックな光景にも出会えるそうだ。
「アメリカン・プリンセス号」の定員は最大250人。開放的な屋外デッキ、屋根付きの上部デッキ、冷暖房完備のキャビンにはゆったりとした座席や、バーカウンター、TVも設置。軽食やドリンク(有料)も楽しめる。

Whale Watching & Dolphin Adventure Cruises
■11月30日(日)まで
※7-8月:月火運休、9月:月火運休(1日除く)、
10月:月火木運休(2、13、30日除く)
11月:土日のみ運行(8、9日運休)
■乗船場所:Pier 8 – Sheepshead Bay, Brooklyn
■料金:大人$69、62歳以上$65、5-12歳$50、5歳未満無料
■https://americanprincesscruises.com/events/2025-whale-watching-dolphin-adventure-cruises/
マンハッタン発
「イベント・クルーズNYC」
ニューヨーク市でさまざまなクルーズを行う「イベント・クルーズNYC」が提供するクジラとイルカの観察ツアー。マンハッタンのハドソン・リバー・パークにあるピア40から出港する約4時間半のクルーズだ。

こちらの航路も毎回異なり、当日のクジラやイルカの位置情報から、適切なルートが選考される。運行する「マンハッタン号」も「アメリカン・プリンセス号」同様の設備とサービスを提供している。



Whale Watching NYC Adventure Cruise
■10月5日(日)まで ※日曜のみ運行
■乗船場所:Pier 40 at Hudson River Park
■料金:大人$79〜、4〜12歳$49〜
■https://eventcruisesnyc.com/events/whale-watching-nyc-cruise
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クジラとイルカの豆知識
ニューヨーク近海で最もよく目撃されるのはザトウクジラ。ブリーチ(ジャンプ)や尾びれを水面に打ちつける行動で知られ、観察しやすい。比較的小型で素早く泳ぐミンククジラは見つけにくいが、湾内にも現れることがある。世界で2番目に大きいナガスクジラは外洋寄りで見られることが多いが、稀に湾内にも出現するという。湾内や沿岸に頻繁に出没するハンドウイルカは、フレンドリーでジャンプをよく見せてくれる人気者だ。
自然が相手だけに遭遇できるかは運次第。それでも出会える可能性は十分にある、期待して出かけよう。