▷西暦1900年代
近代化の20世紀
摩天楼の誕生、地下鉄開通
さて、近代史はごく簡単に。20世紀に入ると、ニューヨークは金融、文化、貿易と世界の中心的存在に成長する。マンハッタンの摩天楼を形成したのもこの時期。エンパイアステートビル(1931年完成)、クライスラービル(1930年)、今はなきツインタワー(世界貿易センタービル)が1973年だ。
市内最初の地下鉄IRT(Interborough Rapid Transit)が、シティーホールから145丁目まで開通したのが1904年10月27日だ。1952年には今の国連ビルが建設された。



1900年〜
NYCで一番高いビルは?
①ワン・ワールド・トレード・センター
高さ1,776 ft.(541m)、アメリカ国内および西半球でも最も高く、世界では7番目に高い。ニューヨーク市には高さ115ft.(35m)以上の高層ビルが7,000棟以上あり、その内、少なくとも102棟は650ft.(198m)を超えている。
★以下は2位から10位まで
②セントラル・パークタワー:1,550 ft. (472.4m)
③111 West 57th Street:1,428 ft. (435m)
④ワン・ヴァンダービルト:1,401 ft.(427m)
⑤432 パークアベニュー:1,397 ft. (426m)
⑥270 パークアベニュー(2025年完成):1,388 ft. (423m)
⑦30 ハドソンヤード:1,270 ft. (387m)
⑧エンパイア・ステート・ビル:1,250 ft. (381m)
⑨バンク・オブ・アメリカ・タワー:1,200 ft. (366m)
⑩3 ワールドトレードセンター:1,079 ft.(329m)
(写真)ワン・ワールド・トレード・センター


1900年〜
日本の超高層建築物・構築物ランキング
●東京スカイツリー:634m ※高さ世界一の塔
●東京タワー:333m ※高さ世界第22位の塔
○トーチタワー(2028年3月竣工予定):390m
①麻布台ヒルズ森JPタワー:325.4m
②あべのハルカス:300m
③横浜ランドマークタワー:296.33m
④虎ノ門ヒルズ ステーションタワー:265.75m
⑤SiSりんくうタワー:256.1m
(写真)東京スカイツリー
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と、ここまでなんとなくニューヨーク市=マンハッタンみたいな話の展開だが、市を構成するのはクイーンズ、ブルックリン、ブロンクス、スタテン島を含めた5区。それぞれ最初は村や郡、市として独立して存在していたが、1898年「グレーター・ニューヨーク」として、ニューヨーク市の「区」として統一されている。
クイーンズ・カウンティー(郡)が創設されたのは1683年だ。イギリスに攻め込まれ、マンハッタンを追われたオランダ人入植者らが周辺に飛び散ったタイミング。1889年には、鉄橋上を線路が走る列車BMT(Myrtle Avenue Line)が運行開始している。
20世紀になると、19 09年のクイーンズボロブリッジ、1910年のイーストリバー・トンネル、1936年のトライボロブリッジ、1940年のミッドタウントンネルの開通とともにクイーンズも発展を見せる。ジャクソンハイツやフォレストヒルズ他、区内各地に計画都市が作られていったのも20世紀初頭だ。テニスの全米オープンの会場が、マンハッタンからフォレストヒルズに移されたのが1915年。1916年には地下鉄クイーンズプラザ駅が完成。1928年には7番線がフラッシングまで開通した。
ブルックリン区についても言及しておこう。ニューアムステルダム時代の1646年、オランダの西インド会社により「Breuckelen(ブルーケレン?)」という村がここに作られた。「Breuckelen」というのはオランダの地方の名前だそうで、「オールド・カントリー」という意味があるそうだ。今の「ブルックリン」の語源であることは想像に難くない。その後長い間、ブルックリン市として独自の市政を敷き、その間にブルックリンブリッジもオープンした(1883年)。
独立戦争中の激戦地として「ロングアイランドの戦い」(1776年夏)が知られるが、あれは実はブルックリンのこと。別名「ブルックリン(ハイツ)の戦い」とも言われる。
ブロンクスへの最初の入植者は1639年で、ここに巨大な農場を開いたジョナス・ジョナッソン・ブロンクだった。後にこの地がブロンクスと呼ばれるようになったのはこの人の名前からだ。


1900年〜
NYCのニックネームは?
「ビッグアップル」「ゴッサム」「The City That Never Sleeps」の3つが有名。
「ビッグアップル」は、1920年代、ジャーナリストが使い始め、その後市の観光局がマーケティング目的で使い続けているもの。
「ゴッサム」は、古典英語の「goat」と「town」の造語で、1807年に著名な米国人作家ワシントン・アービングの風刺雑誌で使われたのが始まりと言われている。
「The City That Never Sleeps」は文字通りの意味。1900年代初頭から、24時間運行の地下鉄や忙しそうに早歩きする人々を表現して使われ始めたもの。フランク・シナトラの名曲「“(Theme From) New York, New York」の歌詞にも使われたことで、ニックネームとして不動の地位を築いた。


1977年
NYC旗のベースデザインはどこの国?
■ニューヨーク市旗:現在のデザイン(左記)は1977年12月30日から。中央に青い市章を配した青・白・オレンジの三色旗。この三色は1625年に使用されていた「ネーデルランド連邦共和国」(現在のオランダ王国の原型)の旗と同様。
■ニューヨーク市章:中央上部に翼を広げたアメリカン・イーグルが、その下の盾内には、風車と小麦粉の樽、ビーバーが描かれている。左の人物はプラメット(おもり)を持った船乗りで左肩の上に十字架の杖。右の人物は手に弓を持った米国先住民。月桂冠が全体を囲んでいる。
