2025年、ニューヨーク市生誕400年!
米国の独立宣言は1776年7月4日だが、ニューヨーク市だけを見るとその歴史はずっと長い。歴史書によると、ニューヨーク市生誕は1625年に遡る。オランダからの入植者が先住民からこの地を買い取り、初めての市政を敷いた年だ。つまり2025年は400周年。1625年といえば日本は江戸時代初期の寛永2年、関ヶ原の合戦からちょうど四半世紀が過ぎ、徳川幕府第3代・家光が将軍の頃だ。そう考えると実に途方もない。ここでは、意外に長いニューヨーク市の歴史をざっくり振り返ってみよう。(佐々木香奈)
ニューヨーク市生誕(市政発足)が1625年なら、確かに2025年は400周年だ。とはいえ市の記録では元々1664年だったそうだ。それを1975年に、350周年を祝うために1625年に書き直したのだとか…。どこからを市の歴史と見るのかは解釈によるようだが、多少アバウトな部分もある気がする。
それはともかく、2025年の新政権により国家そのものが暗澹とする中で、この際、ニューヨーク市の400周年はめでたい! その歴史を辿ると、お馴染みの名前がどんどん出てくる。
1625年
その頃日本は・・・
寛永(1624〜1644年)、江戸時代。108代天皇・後水尾天皇、第3代将軍・徳川家光が在位。1624年、江戸幕府の鎖国政策によりスペイン船の来港が禁止された。
(上)後水尾天皇像(宮内庁書陵部蔵 尾形光琳筆)(下)徳川家光像(金山寺蔵、岡山県立博物館寄託)
▷西暦1500年以前
先住民の時代
今のマンハッタンとその周辺に元々住んでいた先住民はレナペ族。今も残る道「ブロードウェイ」は、レナペ族が移動に用いたトレイルだそうだ。
▷西暦1500年代
初来訪者はイタリア人のベラザノ
外国からの初来訪者は、1524年のイタリア人冒険家ジョバンニ・ダ・ベラザノ=写真①=。当時のフランス国王の依頼で、欧州からアジアへの新海路を求めて立ち寄ったもの。ベラザノはフランス国王にこの地の立ち寄り報告書は作ったものの、素通りしただけ。これを機にフランス人が入植していれば異なる歴史が紡がれ、今頃500周年だったかもしれない。ベラザノの名前はしかし、ブルックリンとスタテン島を繋ぐ橋の名前に今も残されている。
(次ページへ続く:西暦1600年代 まずはオランダ人、それをイギリス人が奪い… )