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「NYアジアン映画祭2025」で存在感発揮した日本映画、受賞も登壇も話題作ぞろい

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存在感発揮した日本映画
受賞も登壇も話題作ぞろい
「NYアジアン映画祭2025」

2025年8月8日号掲載|8

ニューヨーク・アジアン映画祭(NYA FF)が7月、マンハッタンのリンカーン・センターとSVAシアターで開催、100本を超えるアジア映画が上映された。中でも、日本映画の存在感はひときわ大きく、多くの注目を集めた。

日本関連作品は17本。「フォーカス監督」として招かれた豊田利晃監督の新作および代表作7本をはじめ、呉美保監督と俳優・浅野忠信氏が登壇した長編2本、鈴木竜也監督によるアニメーションのコンペティション作品、さらに4本の長編と2本の短編がラインアップされた。

①ギル監督(左)と主演の浅野氏
①ギル監督(左)と主演の浅野氏
②呉監督
②呉監督

AllPhotos ©NYAFF 2025

短編部門で、辻仁奈監督の「グッド・喪ーニング」(2025年)が最優秀短編賞を受賞。さらに、日本が共同製作に関わる「その花は夜に咲く」(2025年)が審査員特別賞を受けるなど、受賞面でも存在感を発揮した。

話題となったのは、伝説的写真家・深瀬昌久の人生を描いた「レイブンズ」(2025年)。上映後、主演の浅野忠信氏、監督のマーク・ギル氏=写真①=、撮影監督のフェルナンド・ルイス氏が登壇し、質疑応答を実施。さらに同日、3人による「マスター・クラス」も行われ、写真を通して人生をいかに映像化していったかについて熱く語られた。

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呉美保監督の新作「ふつうの子ども」(2025年)も好評。上映後には子どもを主題とした作品への関心の高さを示す活発な質疑応答が行われた=写真②=。呉監督からは以下のメッセージが寄せられた。「9年ぶりのニューヨーク。前回は、ジャパンカッツで『きみはいい子』を上映してもらった。今回はNYAFFで日本公開に先駆け『ふつうの子ども』を上映。子どもを撮った2本の映画が、時を経て同じ地でお披露目できたことが感慨深い。世界中の人たちに『ふつうの子ども』に出会ってほしいと願う私にとって、この上ない船出となった」

③豊田監督
③豊田監督
④鈴木監督(左)と声優の大橋氏
④鈴木監督(左)と声優の大橋氏

AllPhotos ©NYAFF 2025

豊田利晃監督は、最新作「次元を超える TRANSCENDING DIMENSIONS」(2025年)と代表作「青い春」(2002年)の上映後に登壇=写真③=。豊田監督からは、「湿気と灼熱のニューヨーク。映画館から映画館へ。舞台挨拶から人の顔が見える。ここは人種のるつぼ、まだまだ僕の映画は充分ではない。すべての人の心を動かしたい。また一からやり直しだ」と熱いメッセージが届いた。

コンペティション部門で選出された鈴木竜也監督は、声優の大橋未歩氏とともに登壇=写真④=。惜しくも受賞には至らなかったが、上映、Q&A、授賞式からクロージング・パーティーにかけて、ニューヨークの観客や映画祭関係者と交流を深め、充実した時間を過ごしていた。

「僕は日本の東北の田舎町で育ちましたが、『タクシードライバー』や『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』をはじめ、数えきれないほどのNY映画を青年期に観て、それが今の僕や作品を作っています。そんな夢の舞台で自分の作品が上映されるなんて、人生何が起こるかわからないなと。最高でした」と振り返っていた。(寄稿:ニューヨーク・アジアン映画祭 プログラマー 森晃一)

①ギル監督(左)と主演の浅野氏

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