Advertisement
2025年6月12日掲載
6月14日、全50州で1800件以上、数百万人が参加予定
トランプ大統領就任後、最大規模の抗議運動
「No Kings」
6月14日(土)、ドナルド・トランプ大統領の79歳の誕生日に合わせて、ワシントンD.C.では軍事スタイルのパレード「America 250」が行われる予定だが、その一方で、全50州で1800件以上、数百万人規模の抗議者が街頭に立つとみられる集会「No Kings(王はいらない、王はいない)」が実施される予定だ。トランプ大統領の再就任以降、最大規模の全国抗議運動となる見通しで、主催者たちは「権威主義、富裕層優先の政治、民主主義の軍事化に対する拒絶だ」と説明している。
今回の全国的な動員は、トランプ氏の誕生日と重なる米陸軍創設250周年の軍事パレードに対する直接的な抗議として企画されたもの。現政権が、社会保障や栄養支援プログラム(SNAP)、医療支援(Medicaid)、教育などについて、「予算がない」と主張する一方で、14日の軍事パレードが税金で賄われることに対し、主催者たちは強い異議を表明する。
ロサンゼルスでの移民一斉摘発に対する大規模な抗議に対応する形で、トランプ氏が州兵や海兵隊を投入した異例の措置に対し、「かえって人々を結集させ、権威主義への反対の声を高める結果になった」と主催者たちはコメントを発表している。
CNNの報道によれば、ピート・ヘグセス国防長官は、ロサンゼルスに対して行われた州兵の連邦命令が、他州にも適用される可能性を示唆。テキサス州のグレッグ・アボット知事は、サンアントニオで予定されている「No Kings」イベントへの対応に備えて州兵を動員。ミズーリ州のマイク・キーホー知事もまた州民の不安を受け、「予防措置」として州兵を招集。「平和的な抗議の権利は尊重し、守る。しかし、暴力や無秩序はこの州では容認しない」と、共和党のキーホー知事は声明で述べている。
Advertisement
オフィシャルサイトでは「No Kings」を「全国規模の “拒否”の1日」と定義、以下のように説明している(抜粋・意訳)
「トランプ大統領は自らの誕生日を祝うために、街に戦車を走らせ、テレビ用に演出された“支配”のショーを行おうとしています。強さを装った見せかけのスペクタクルです。ですが、本当の力は、ワシントンの舞台上にはありません。力は、そこではない場所――全米の至るところから立ち上がるのです。都市の一角、小さな町、裁判所の階段、地域の公園に至るまで、私たちは行動を起こします。権威主義を拒絶し、世界に “これが本物の民主主義だ” と示すために。星条旗はトランプ大統領のものではありません。それは、私たちのものです。私たちは歴史の傍観者ではなく、歴史の創り手です。6月14日、彼がいないすべての場所で、私たちは声を上げます。『玉座も、王冠も、王もいらない(no thrones, no crowns, no kings)』――そう言うために」
すべての「No Kings」イベントは、非暴力の原則と地域社会の安全を配慮。各地の主催者は、事前に緊張緩和(de-escalation)トレーニングを受け、地域のパートナーと連携しながら平和的かつ力強い抗議活動の実施を目指している。
なお、在ニューヨーク総領事館では、在留邦人に対し最新情報の収集に努めるとともに、不測の事態に巻き込まれないよう注意を呼びかけている=関連記事=。

■公式サイト www.NoKings.org