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日本ギャラリー陶芸展「縄文から未来へ―田中佐次郎展」

日本ギャラリー陶芸展
「縄文から未来へ―田中佐次郎展」
伝統と現代感性が融合

唐津焼の名陶工・田中佐次郎個展「縄文から未来へ―田中佐次郎展」が、日本ギャラリーで10月17日(木)から23日(水)まで開催されている。

田中は1937年福岡県北九州市に生まれ、60年から鎌倉円覚寺で参禅を開始、65年には縄文・弥生土器の発掘調査に携わり、手びねりや野焼きを始めた。

宝塔: 阿弥陀如来
宝塔: 阿弥陀如来 (Pagoda: Amida Nyorai)

今年で87歳。今もなお標高700メートルの山中にある山瀬窯で、窯焚きに向き合っている。窯焚きは、3日間にわたる摂氏1300度の炎との対話で、まさに魂の儀式。これまで千回以上の窯焚きを行い、その過程で独自の哲学と美学を育んできた。窯焚きの偶然性が生み出す釉薬の美しさと、炎の力で生まれる独特の質感が、田中の作品に息づいている。

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今回の個展では、山瀬窯で自ら掘り起こした粘土を使った、柔らかく繊細な手触りと色合いを持つ作品群が展示される。茶碗、花器、宝塔などの新作は、古唐津の伝統を継承しながらも、現代的な感性が融合した作品群だ。

■10月17日(木) ~23日(水)
■会場:日本ギャラリー(日本クラブ内)
 145 W. 57th St.
■日曜休館 ■入場無料
■TEL: 212-581-2223、gallery@nipponclub.org
www.nipponclub.org

宝塔: 阿弥陀如来

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