2020年6月19日号 Vol.376

文:佐々木香奈(猫グルーマー)
NCGIA (National Cat Groomers Institute of America) member


どや!ルフィーのシャンプー&ドライ、ビフォア(左)&アフターやで!

シャンプー&ドライのススメ

うちのルフィー(10歳のメス猫)の毛玉の季節が到来した。毎年5、6月から毛玉警報が鳴り出す。「警報」とはすなわち、やたら草を食べてはその草を吐き出すのだ。5月末に4日連続でそれをやらかし、ついにでっかい毛玉を吐いたので、「そろそろか」と思った。最初は病気じゃないかとビビったものだが、獣医さんに検査してもらい、「季節の毛玉」との診断。

そういえば私が猫専門のグルーマーになったのも、こいつの毛玉ゲロがきっかけだった。経済再開もフェーズ2から美容院がオープンできるが、おそらくペットのグルーミングサロンもそのカテゴリーに入るはず。待ちきれない飼い主も多いと思う。

私の場合、実はグルーマーはまだ副業で、サロンを持っているわけではないので、お客さんには拙宅においでいただくことにしている。そう多くのお客さんは取れないが、ホームグルーミングができるようにツールやキッチンシンクの整備は万全。

パンデミックの間は近所の友人の猫をシャンプーした程度で、本業の執筆業に追われていた。5月末のルフィーの毛玉警報を機に、久々にシャンプーしてやることに。猫は水が嫌いとか、猫は自分でグルーミングするとか、いろいろな既成情報が知れ渡っているが、まあそれらも間違いではないと思う。しかし、正解でもない。どんなに綺麗だと思っているネコでも、シャンプー&ドライをした後のフカフカの毛並みと、ご本人(猫)がメッチャ気持ちよさそうにしているのを見ると、やはり人間によるグルーミング(シャンプー&ドライ)が果たす役割は大きいと認めざるを得ない。水が好きな猫も結構多い。

うちのルフィーのシャンプー前と後の写真、紙面で違いがわかるだろうか。ルフィーはもともと毛並みのいい猫だ。しかし、最後のシャンプー&ドライから半年。10歳という高齢なので皮脂の分泌も多くなり、一見綺麗ながらも「余分な脂が乗ってるな」と言う感じだった。

ルフィーは水に濡れるのは決して喜ばないが、シャンプー中パニくりもしない。ちなみに、自宅で猫を洗う時は、キッチンシンクが最もおすすめ。ハンドシャワータイプのフォーセットがあればなおよし。もしくは大きめのプラスチックピッチャーをいくつかお湯で満たし、ちょっとずつかけると良い。人間用シャンプーは絶対に使わず、猫用を買うこと。そして、よくタオルドライして、必ずブロードライする。濡れた毛はダマになりやすいから。短毛種なら場合によっては自然乾燥もありだが、長毛種の自然乾燥はダメ。人間用のドライヤーでいいので、熱くならないよう注意しながら、辛抱強く乾かしてやろう。素人が自宅でやるなら、誰かにヘルプしてもらうことを勧める。

とまあ、自分が猫グルーマーになって思うが、猫のシャンプー&ドライは難しいぞォ。飼い主によって向き不向きもある。だからグルーマーがいるのだが。

リッタークイズ:[Q1] 猫がリッターボックスで用を足すのは本能?(答・YES。ボックスというより、泥や砂で大小をするのが本能)。[Q2] 全ての猫はカバー付きボックスを好む?(答・NO)[Q3] 猫は香り付きリッターが好き?(答・NO)
Kana S. Cat Grooming
kanacatgrooming@gmail.com
Voice/Text: 646-456-6399



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