2020年5月8日号 Vol.373 | |
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文:佐々木香奈(猫グルーマー) NCGIA (National Cat Groomers Institute of America) member
キティーブリトーで猫の爪切りDIY各州での自宅待機命令で美容院が閉まってしまい、白髪染めに行けないと困っている人も多いはず。ペットのグルーミングサロンも同様に閉店対象なので、飼い主によっては自分の白髪以上に心配している人も多いのでは? なぜならグルーミングの目的はオシャレや贅沢ではなく、ペットの健康維持だからだ。「それは犬の話だろう」と思うなかれ。猫も同様だ。ニューヨーク州サウスセイレムにあるホリスティック獣医クリニックのマーティー・ゴールドスティーン先生も、「猫は水が嫌いだと決めつけず、数ヵ月おきにシャンプーをしてやることは、猫の皮膚と毛の健康維持のためになりますよ。猫によっては泳ぎが得意な猫もいるし、意外な発見があるはずです」と話している。 とはいっても、グルーミングサロンが閉まっているからと、猫を自宅でシャンプードライするのは一般の飼い主にはハードルが高い。そこで今回は、爪切りだけでも自分でできるようになってほしいので、ちょっとしたコツを伝授したいと思う。外に出ない家猫は爪が伸びるので、スクラッチングポールだけに頼らず、飼い主が4〜6週間おきくらいに切ってやるのが理想的だ。 まず、猫グルーミングで最も優れたツールはバスタオルだ。爪を切る時は、テーブルの上にバスタオルを広げ、猫を左右後方からクルクルと包むといい。グルーミングではこれを「キティーブリトー」と呼ぶ。猫を、メキシカンフードの「ブリトー」のように包むところから来ている。その時、顔は必ず出して包むこと。すり抜けられないように、体はしっかりタイトに包む。お尻部分もしっかり包んで、後退り?お尻エスケープを防ごう。 まずはその状態で前足の爪を切る。次にくるっとタオルごと半回転し、猫の顔が飼い主のひじの下にくる位置に。タオルの中にある後ろ足だけをちょこっとひっぱり出して、その足の爪を切る。次にまたくるっとタオルごと回して、今度は反対のひじの下に猫の顔が来るように。同じようにしてもう片方の後ろ足の爪を切る。ひじを使って、猫の顔部分を固定するようにするといい。それだけ。 と、説明するのは簡単だが実際にやるとうまくいかないので、覚悟してトライしてほしい。でも、できないからと諦めず何度でもトライしよう。獣医のクリニックで爪だけを切ってもらうと、クリニックにもよるが1匹40ドルくらい。ハウスコールのマスターグルーマーに爪切りだけ頼むと1匹80ドルなんてことにもなりかねない。自分で猫の爪を切れば、節約になるし、猫の健康維持にもなるし、家具も守れるしと、いいことづくめ。ぜひ頑張っていただきたい。 猫がスクラッチするのは、@バリバリすると気持ちいいから、A 爪の掃除になるから(層になった爪の外側から剥がしてく)、Bバリバリして自分の匂いを残し、縄張りを主張するため Kana S. Cat Grooming kanacatgrooming@gmail.com Voice/Text: 646-456-6399 Tweet HOME |