2020年1月24日号 Vol.366

地下鉄アート

駅 Fifth Ave-53rd St (Manhattan)

地下鉄:モダン・アイコンのデザイン、2020
The Subway: Design for a Modern Icon, 2020


All photos by YOMITIME



ニューヨークの地下鉄で使用されている標識やアイコンを紹介したインスタレーションが1月中旬、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の最寄り駅「Fifth Ave-53rd St」のダウンタウン方面プラットホームに登場した。MTAとMoMAが協力したプロジェクトで、地下鉄におけるグラフィックデザインに関連する資料がモチーフ。現代アートとデザインの関係性、その役割などを示している。

カラフルでシンプル、印象的なサイネージ(記号や標識など)をデザインしたのは、デザイン事務所「ユニマーク・インターナショナル」(1964設立、1970年代後半に消滅)のデザイナー、マッシモ・ヴィネッリとボブ・ノーダ。モダニズムを掲げていた同社は、グラフィックデザインにおけるコーポレイトIDの重要性やブランディングを追求、アメリカのデザイン業界に大きな影響力を及ぼした。オーストラリア、デンマーク、イギリス、イタリア、南アフリカにもオフィスを構え、一時は世界最大のデザイン事務所として活動した。

展示は、「ユニマーク・インターナショナル」によって制作されたMTA用グラフィックデザインのマニュアル本「New York City Transit Authority Graphics Standards Manual」を元に、MoMAのアーキテクチャー&デザイン部門がキュレーションし、MoMAデザイン・スタジオが展示デザインを担当。マニュアル本からの引用に加え、1972年の地下鉄マップ・グラフィック、年代に沿った出来事なども掲載。地下鉄を利用してMoMAを訪問する乗客に、アート的な側面からMTAの歴史を紹介する。


HOME