2019年6月14日号 Vol.351

地下鉄アート

駅 30th Avenue (Astoria)

スティーブン・ウエストフォール「ペラスマ I & II; ドッペルゲンガー」
STEPHEN WESTFALL: Perasma I & II; Dappelganger, 2018


All photos by YOMITIME


ニューヨーク州スケネクタディ生まれ(1953年)、ニューヨークを拠点に活動する画家で評論家、バード大学の教授でもあるスティーブン・ウエストフォール。幾何学構成的絵画を追求し、直線と鮮やかな色でダイナミックな空間を生み出すウエストフォールは、その場所のエネルギーを表現しようと試みる。同時に、絵画と建築の関係について常に考えているという。

47枚の合わせガラスパネルで制作された「ペラスマ I & II; ドッペルゲンガー」。作品名の「ドッペルゲンガー」とは、自分自身の姿を自分で見る幻覚の一種。現代社会において人々は毎日を繰り返し、交通機関もまた運行を繰り返している様子を、幾何学的なパターンを反復して使用することで表現。文化的なアイデンティティと普遍性を、リズミカルに呼び起こそうとする。駅の同じ場所に立った時、過去の(または未来の)自分に出会う可能性をも示唆するユニークな作品。


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