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【MTA地下鉄アートの旅】
都市に漂う「境界」と「記憶」──
リサ・コリン・デイヴィス「混沌の地形/境界にある場所」
2025年8月8日号掲載|6
マンハッタンの地下鉄68丁目ハンター・カレッジ駅で、アーティストのリサ・コリン・デイヴィスが手がけた3点のガラスモザイク作品が公開されている。

「Liminal Location(境界にある場所)」の2点は、改札脇の座席スペースを挟むように配され、通行者の目を引く。加えて中二階の壁面には、大型作品「Tempestuous Terrain(混沌の地形)」が、長さ約9メートルに渡り広がっている。いずれもデイヴィスの抽象絵画をもとに制作されたもので、複雑に絡む線と色彩が交錯。都市を行き交う人々の物語や、デジタル世界とのつながりを暗示している。
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素材には手描きガラスや、複雑で有機的な質感が魅力のスマルティ(smalti)などが使われ、「時間、空間」という見えない動きを描き出す。都市空間にひそむ無数のストーリーを、詩的に描き出すデイヴィスのモザイクは、駅という交差点にふさわしい「動きと記憶の地図」となっている。


“Liminal Location” (2024) All photos © Lisa Corinne Davis
デイヴィスは、人種や文化、歴史の関係性をテーマに制作するアフリカ系アメリカ人作家。彼女の作品はニューヨーク近代美術館(MoMA)やゲティ美術館(ロサンゼルス)など、国内外の主要美術館などに収蔵。
■地下鉄:6
■駅:68 St-Hunter College (Manhattan)