2019年7月26日号 Vol.354

思いを代弁できるのは女子高生!

【JKエレジー】
監督:松上元太
出演:希代彩

あらすじ:松上元太監督の劇場映画デビュー作。2017年の「ミスiD」で入選した希代彩の映画初主演。地方都市で暮らす鬱屈した日々を打破しようと、逆境にもめげず突き進む女子高生の姿を描いた青春映画。群馬県桐生市に暮らす高校3年生の梅田ココア(希代彩)は、学業は優秀だがギャンブル狂の父親と元漫才師でニートの兄との生活は貧しく希望を見いだせずにいた。そんなココアには、学校とバイトの合間に物を破壊するさまを収めた怪しい動画「クラッシュビデオ」に出演しているという秘密があった。ある時、クラッシュビデオ出演が学校にバレてしまい、大学推薦を取り消されて学校にも居場所がなくなってしまう。第14回大阪アジアン映画祭でジャパン・カッツ賞を受賞。インディペンデント映画を対象とした米スラムダンス映画祭で主演の希代彩が優秀演技賞を受賞。
『JKエレジー』 2019年・88分
監督:松上元太
出演:希代彩、猪野広樹、川瀬陽太、芋生悠


Demolition Girl © 16bit.inc.


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松上元太監督と希代彩 (Photo by YOMITIME)


松上監督今回は共同脚本ですが、もともと、なんとなくこう言う話がやりたい、という構想は持っていました。女性が戦う物語で、昨今、女性が声を上げ始めましたが、まだまだ「正しいことを正しい」と言えない。大人の事情もあるだろうが、なぜ言えないのか。そんな思いを代弁できるのは女子高生だと思いました。

ーー群馬県桐生市を舞台に選んだ経緯は?

松上監督以前から地方都市を舞台にしたいと思っていました。そもそものきっかけは、群馬県桐生市には「桐生映画祭」というのがありまして、毎年桐生を舞台に映画を作っている。そこで、桐生を舞台にした映画を撮ってみませんか、という話をいただきましたので撮ることになりました。

ーー桐生市に暮らす高校3年生の梅田ココアを好演する希代彩。出演のきっかけは?

希代最初は、女優を目指していた訳ではないんです。講談社の女の子オーディション「ミスiD」で、審査員特別賞を頂いたことで今の事務所にスカウトされ、出演のチャンスを頂きました。もともとモデル(写真)が好きでやっていたのですが、もっと仕事の幅を広げたほうが良いという思いから、この仕事をさせていただきました。

ーーココア役で一番難しかったところは?

希代ココアと私とは正反対なので共通する部分を探すのに苦労しました。でもココアとしての演技、感情の浮き沈み、表情など、その辺りが一番難しかったです。ココアになりきっている感覚、瞬間をもっと増やさないといけない、と思いながらやっていました。いわゆる役作りで、内面の部分が難しかったですね。

ーー自身の演技を見てどう思いましたか? 演技について監督からリクエストは?

希代初めの頃、動く自分を見るのが何か変な気分でしたが、今は客観的な感覚で見れるようになってきました。監督からのリクエストは特にありませんでした。

松上監督監督ですから、僕がどうこう言うこともありますが、とにかく彼女が一生懸命にやってくれていましたので「きっとお客さんには伝わるから、そのまま頑張って欲しい」と伝えましたね。ココアは一途で一所懸命な女の子なので、希代彩の演技で、この映画に対するひたむきさが伝わればイイと思っていました。

ーーインディペンデント映画を対象とした米国の映画祭で主演の希代彩が優秀演技賞を受賞。どこが評価されたと思いますか?

希代ただひたすらに、がむしゃらにやったところでしょうか。ファーストフレッシュ(ビギナーズラック)というか・・・最初にやったものなので、新鮮なところが良かったのでしょうか。

松上監督最初にやったものって、「ああしよう、こうしよう」という欲が全くなかったんです。新鮮で、ある意味「純真無垢」な演技を、彼女自身が出せたと思います。

ー今後の展望を教えてください。

松上監督次回作の構想も出来上がりつつあります。これまでCM、ミュージックビデオなどの映像に携わってきましたが、自分の中では映画を一番大切に考えているので、もっと作っていきたいと思ってます。


希代また、松上監督と仕事ができるように頑張りたい。呼んでいただけるように演技を磨いていかないといけないと思っています。

saito

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Photo by Mike Nogami



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