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MoMA PS1完全無料化スタート!
今すぐ観られる注目アート展
2026年1月9日号掲載|4
マンハッタンにあるニューヨーク近代美術館(MoMA)の別館で、クイーンズ区ロングアイランドシティに位置する「MoMA PS1」(以下PS1)は2026年1月1日(木)から3年間、すべての来館者を対象に入館無料となった。

起業家のソニア・ユー氏の寄付により実現したこの施策は、PS1開館50周年を記念して開始。これまでニューヨーカー限定だった無料制度を全来館者に拡大。これにより、4月16日(木)から開幕する代表的展覧会「グレーター・ニューヨーク2026(Greater New York 2026)」をはじめとする主要展覧会やプログラムがすべて無料で鑑賞できる。
今回は、「今すぐ観られる」展示を駆け足で紹介しよう。
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アイヨン・キム「デリバリー・ダンサー・コデックス」
Ayoung Kim: Delivery Dancer Codex
■2026年3月16日(月)まで


韓国・ソウルを拠点に活動するアーティスト、アイヨン・キム(Ayoung Kim)。ビデオ、VR、音響、テキストを駆使し、生成AIやゲームエンジン、実写映像を組み合わせて、地政学や神話、技術と社会の関係などを探る。
彼女の代表作「デリバリー・ダンサー・コデックス(Delivery Dancer Codex)」三部作=表紙写真と①=は、アメリカ初公開。主人公は、女性配達員のエン・ストーム(En Storm)とエルンスト・モ(Ernst Mo)で、どちらも「monster(モンスター)」の文字を並べ替えて作られた名前。実際の街の映像を交えながら、近年韓国やアメリカで急増している短期契約や配達のような単発仕事「ギグ・エコノミー」に従事する人々の現実を描いた。
キムはこれを「パンデミック・フィクション」と呼び、アプリ配達員などが直面する不安定な労働環境や受けるプレッシャーを視覚化。鑑賞者に「身近な社会問題」として投げかける。
ガブリエル・ゴライアス「個人の証言」
Gabrielle Goliath: Personal Accounts
■2026年3月16日(月)まで

南アフリカ・ヨハネスブルグ在住のガブリエル・ゴライアス(Gabrielle Goliath)によるビデオ作品シリーズ=②=で、こちらもアメリカ初公開。
映像は証言者たちの個人的な体験をもとに構成されており、男性優位社会による暴力(patriarchy)の影響を、世界各地の状況や社会的背景なども含めて描かれている。
シリーズでは、生存者に密着取材する一方で、語りそのものは映像に出さず、息づかいやため息、泣き声、ハミング、笑いなど、会話の中で生まれる微細な瞬間を映像と音で表現。言葉のない瞬間にも多くの意味や感情が表れることを示し、観る者に共感や気付きをもたらしている。
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「フォー・ディレーションズ」
Four Dilations
■2026年3月2日(月)まで

ニューヨーク初公開となる4組の若手アーティストによる展覧会「フォー・ディレーションズ(Four Dilations、4つの時間の伸び縮み)」。
鑑賞者の立場により、時間の流れの感じ方が異なる現象「時間の伸び縮み(temporal dilation)」をテーマに、彫刻やパフォーマンス、インスタレーションなどを展開。ダンスや映画、音楽など、時間の流れを体感できる表現を通し、現代の「今」を問いかける。
「グレーター・ニューヨーク2026」
Greater New York 2026
■2026年4月16日(木)〜8月17日(月)

第6回目を迎える展覧会「グレーター・ニューヨーク2026」は、ニューヨーク市を拠点に活動するアーティスト作品を紹介。今回は50人以上のアーティストが参加予定で、展示空間に合わせて制作された作品やパフォーマンス、新作・近作など多彩なプログラムを展開。若手アーティストの視点を通して、現代文化に漂う緊張やエネルギー、焦燥感を浮かび上がらせる。
その他の展示・詳細はウェブサイトで確認を。
■会場:MoMA PS1
22-25 Jackson Ave, Long Island City
■https://www.momaps1.org/en