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喪失と愛、情熱と自由を舞う
舞踊家・柏木みどり、NY公演で
2026年7月3日号掲載|8
日本舞踊とジャズダンスを融合させた独自のスタイルで知られる舞踊家、柏木みどりが6月3日、ミッドタウンのラリアンス・ニューヨーク フローレンス・グールド・シアターでニューヨーク公演「ザ・ワールド・オブ・ミドリ・カシワギ」を開催した。

2024年以来2年ぶりとなる今回は、柏木が長年追求してきた「日本と西洋の融合」に加え、「心を演じたい」というテーマが色濃く表現された。
第1部「My Heart Still Belongs To You~時が過ぎても~」では、別れた後もなお愛する人への思いを抱き続ける女性の心情を描写。静と動を織り交ぜた繊細な振り付けと表情豊かな所作で、時の流れとともに揺れ動く感情を表現。抑制された動きの中にも深い情感が込められ、観客を作品の世界へと引き込んだ。

第2部「Carmen, the Femme Fatale~魔性の女カルメン~」では、自由奔放で情熱的なカルメンを熱演。力強いジャズダンスの躍動感と、日本舞踊ならではの繊細な身のこなしを融合させながら、妖艶さと激しさを併せ持つ女性像を鮮やかに描き出した。柏木は「自身にはない一面だからこそ表現したい」と語り、長年踊り続けてきた代表作で会場を魅了した。


公演後、柏木は「ニューヨークは私にとって特別な場所」と語り、「師事していたフレッド・ベンジャミン氏は、心の底から湧き上がる叫びのようなものを表現する方で、その影響を大きく受けました。ジャズダンスと日本舞踊、和と洋は対極にあるように見えますが、表現するのはどちらも『心』。心の動きを踊りで表現したいと思っています」と話した。
喪失と愛、情熱と自由という対照的な女性像を描きながら、それぞれの感情の揺らぎを丁寧に描写。和と洋の表現を自在に行き来した柏木ならではの舞台となった。
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