メトロポリタンオペラ
大晦日の恒例ガラは新演出「アイーダ」
メトロポリタンオペラ恒例のニューイヤーズ・イヴのガラ公演。今シーズンは、マイケル・メイヤーが手掛ける新演出「アイーダ」。メイヤーの演出は、今シーズンのオープニングMET初演作品「グラウンデッド」に続いて2つ目。「アイーダ」は、これまでソニア・フリゼルが演出したスペクタクルで豪華な演出で、METの看板演目として人気作品であった。36年ぶりとなる今回の新演出に期待が高まる!(文・針ヶ谷郁)
メイヤーはこれまでに、「リゴレット」の舞台を60年代のラスベガスに設定したセンセーショナルな演出や、ヒッチコックの映画にもなった「マーニー」では映画のようなリアルな描写で新しい旋風を巻き起こしてきた。また、ブロードウェイの演出「春の目覚め」でトニー賞も受賞している。
ヴェルディは、カイロに新しく建てられたスエズ運河開通記念のための歌劇場のこけら落としに、エジプトを題材とした新作オペラを依頼され、アイーダを完成させた。ヴェルディの円熟期に創作された24番目の作品である。
壮大なオーケストラと合唱、「清きアイーダ」「おお我がふるさと」など抒情溢れるアリアで知られる。また誰でも知っている有名な「凱旋の大行進曲」の場面では、華麗な音楽に加え異国情緒溢れるバレエシーンが次々と変化に富んだ舞台を繰り広げ、グランド・オペラの真骨頂を堪能できる。
アイーダを演じるエンジェル・ブルーは、待望のタイトル・デビューを飾る。ラダメスには円熟のピョートル・ベチャワ、アイーダの父でエチオピアの王には「リゴレット」を演じたクイン・ケルシーが扮する。さらに、ラダメスに心を寄せるエジプトの王女アムネリス役には美貌のユディット・クタージ、クレオパトラのような役柄に注目!
あらすじ:古代エジプトとエチオピア両国の争いを背景に、エジプトの王女アムネリスが恋する将軍ラダメスと、敵国エチオピアの王アムナズロの娘アイーダとの悲恋が中心の物語。これに、それぞれの人物の愛国心や復讐心、嫉妬や裏切りなどが織り交ざる壮大なスペクタクル・ストーリーだ。
エジプトの捕虜になったエチオピアの王女アイーダは、アムネリスの奴隷となるが、敵国の将軍ラダメスと恋に落ちてしまう。捕虜の中にはアイーダの父でエチオピア王アモナズロの姿もあった。再起を狙うアモナズロは、アイーダを使ってラダメスからエジプト軍の進路を探り出す。軍の機密を漏らしたラダメスは、祭司長ランフィスらに反逆者として捕らえられ、アイーダと共に地下牢で永遠の愛を誓いながら死んでゆく…。
AIDA(新演出/イタリア語上演/3時間25分)
※(M)はマチネー
■12月31日、1月4日/7日/10日/14日/18日(M)/21日/25日(M)
■作曲:ジュゼッペ・ヴェルディ
■台本:アントニオ・ギスランツォーニ
■初演:1871年12月24日、エジプト、カイロ劇場
■演出:マイケル・メイヤー
■舞台美術:クリスティン・ジョーンズ
■指揮:ヤニック・ネゼ=セガン
■出演:アイーダ:エンジェル・ブルー
ラダメス:ピョートル・ベチャワ
アムネリス:ユディット・クタージ
アモナズロ:クイン・ケルシー
ランフィス:ディミトリ・ベロセルスキー
エジプト王:モリス・ロビンソン
■会場:Metropolitan Opera House
30 Lincoln Center Plaza
■https://www.metopera.org
ニューイヤーズ・イヴ・ガラの情報
12月31日(火)6時半開演。ブラック・タイ着用。公演後には、ディナーとグランドティアでキャストとのダンスパーティが行われ、真夜中に新年祝賀花火が打ち上がる。
★ニューイヤーズ・イヴ・ガラ
■12月31日(火)6:30pm
※ブラック・タイ着用
■問合せ:Tel 212-362-6000 specialevents@metopera.org
■会場:Metropolitan Opera House
30 Lincoln Center Plaza
■https://www.metopera.org
ホリデー・オペラ「魔笛」
今シーズンのファミリー向け、ホリデー・オペラは、ジュリー・テイモア演出の英語版「魔笛」が上演される。モーツアルトの楽しい音楽と歌、ユーモア満載のカラフルで可憐な舞台でホリデー・シーズンを楽しもう!(針ヶ谷郁)
ホリデー・オペラ「魔笛」※(M)はマチネー
■12月17日/18日/20日/21日(M)/24日(M)/26日/27日/28日(M)/28日/29日(M)、1月2日/3日/4日(M)
■会場:Metropolitan Opera House
30 Lincoln Center Plaza
■https://www.metopera.org