ニューヨークに新しい美術館が誕生
イマーシブ・アート15種
「マーサー・ラボ、ミュージアム・オブ・アート・アンド・テクノロジー(MOAT)」
今年2月からプレビュー中だった美術館「マーサー・ラボ、ミュージアム・オブ・アート・アンド・テクノロジー(MOAT)」が7月8日、正式にオープンした。
アートとテクノロジーを融合させたニューヨーク初の没入体験型の美術館で、イスラエルのアーティスト、ロイ・ナチュム氏と、不動産業界で活動するマイケル・ケイア氏によるプロジェクト。
会場は、ダウンタウンの老舗ディスカウント・デパート「センチュリー21」が店舗を構えていたビルで、総面積は約3万6000スクエアフィート。3階建ての内部に「最先端技術を駆使し、五感を刺激する」ようにデザインされたユニークな15種のイマーシブ・アートが展開されている。
3Dビデオで表現された「エコシステム(ECOSYSTEM)」=写真①=は、探検・発見・遊び心がテーマ。ナチュム氏のシグネチャー・モチーフであるクラウン・キッズやクリーチャーがデジタルの世界で命を吹き込まれ、異次元空間を展開する。
光を空気で拡散させ、被写体を立体的に見せるライティング「ボリューメトリック・ライティング」を利用した「ドラゴン(THE DRAGON)」=写真②=。鏡を効果的に利用することで、無限の空間を浮遊しているような感覚を生み出す。
26台のプロジェクションマッピングによる映像と、画期的なサウンドシステムが、5000スクエアフィート、天井高40フィートの空間を埋める「マップ(THE MAP)」=写真③=。観客が空間を移動すると、その周囲で音が変化する。
現在、ナチュム氏の初個展「無限(Limitless)」を開催。実験的なアプローチで、美術史、コンセプチュアリズム、インタラクティブな要素を取り入れ、空間的な枠組みと技術的な演出を探求する。
入場は時間予約制、所要時間60〜90分。詳細はウェブサイトで確認を。
★「3D酔い」に注意
MOATに限らず多くのイマーシブ展で注意したいのは「3D酔い」だ。動く映像を長時間眺めているうちに、めまいや吐き気など「乗り物酔い」の症状が起きることがある。加えて、てんかん、感覚処理障害、閉所恐怖症、めまいなど、日常的な不安を持つ訪問者は注意するよう案内している。
Mercer Labs, Museum of Art and Technology (MOAT)
- 住所:21 Dey Street.
- 大人$52、シニア/学生$46、4〜17歳$46、3歳以下無料
- https://www.mercerlabs.com