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2025年6月27日号|8
壊れた器に宿る新たな価値
金継ぎと漆の美をひもとく展示
6月26日から日本クラブで
日本クラブの日本ギャラリーで6月26日(木)から7月17日(木)まで、企画展「金継ぎと漆 ― 再生と継承の美」が開催される。日本の伝統的な陶磁器の修復技法のひとつ「金継ぎ(きんつぎ)」は、壊れた器の継ぎ目を漆(うるし)で接着、その上に金粉などをあしらって仕上げるもの。本展では、日本で育まれた修復と継承のかたちを、伝統と現代の両面から考察する。

1813年創業の老舗・輪島屋善仁の漆器と、三代続く山久漆工の現代作品を通じて、輪島と越前の漆器づくりを紹介。能登地震で被災した輪島塗の職人支援に取り組む越前漆器の活動も取り上げる。
加えて、モザイク金継ぎの中野拓氏の作品や、書家・北古味可葉氏の墨の詩、渡辺八郎氏の逆光写真などを展示。墨と光が織りなす「移ろい」と「再生」の美が同展にさらなる広がりをもたらしている。
傷を隠さず、美へ昇華させることで、壊れた器に新たな価値を生み出す。金継ぎと漆器には「再生」の哲学が息づいている。
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■ギャラリートーク
関連イベントとして6月28日(土)午後2時から3時まで、ギャラリートークを実施する。登壇者は、山久漆工三代目・山本泰三氏と、「モザイク金継ぎ」で知られるアーティスト・中野拓氏。作品を前に、制作背景や「再生と継承」への思いを語る。
■6月26日(木)〜7月17日(木)
■会場:日本ギャラリー(The Nippon Club)
145 W. 57th St.
■www.nipponclub.org
★ギャラリートーク
■6月28日(土)2:00pm
■無料・要予約:gallery@nipponclub.org