2019年12月20日号 Vol.364

新年こそ詐欺退治!
電話は切る!
メールとテキストは開かずTrash!

ニューヨーク州議会のダニエル・ローゼンタールという議員さんから、「Beware of Scams(詐欺に注意)」なるパンフレットが郵送されてきた。なかなかよく説明されている。2020年を詐欺撃退年にするために、このパンフレットの内容を紙面でサラッとおさらいして、注意を喚起したいと思う。(ささききん)

つい先日、ロングアイランドに住む友人が電話してきた。「イギリスの銀行から、私の親戚らしい人が私に遺産を残したっていう手紙が来たのよ。弁護士に相談した方がいいかしら」と。10年くらい前に同じ手紙を受け取ったことがあったので、「悪いけど、それ詐欺だよ」と冷めた口調で言うと、この友人、怒りと共に妙に残念そうで笑えた。
にしても、まだこんな古(いにしえ)の詐欺が横行しているのかと、正直驚いた。最近の詐欺はさすがに電話、テキスト、メールといったスマホ経由が主流だと、ローゼンタール議員のパンフレットにも書かれている。
筆者が経験した詐欺も色々あるが(引っかかったことはないが)、ビビったのが、5年前のIRSを装った電話詐欺。「お前は税金の滞納で訴えられている」と言われ、ここで本気にした様子を見せると、「示談にしたければ金払え」と続くらしい。
ただその電話の詐欺師は、「マイネーム・イズ・ポール・ナントカ(いかにもアメリカ人らしい名字)。コーリング・フロムIRS。ナンタラカンタラ…」と言うのだが、これがものすごいインドなまりの英語。なまりがきつすぎて、肝心の「訴えられている」内容がよく分からない。イラッとしたので、「あんたのなまりがきつくて何言ってるかわからない」と電話を切ってやった。
知り合いの弁護士に話したら、案の定「それは詐欺だ」と。そして、「IRSは絶対に電話しない。必ず通知は書面で来る」と教えてくれた。なるほどと納得。インドなまりがきつい、間抜けな詐欺師で助かった。
要は、こういう電話は切るに限るし、メールやテキストは無視して捨てるに限るのだ。以下は、最近の流行りの詐欺と、その対策。



電話・テキスト・メール詐欺の種類

Smishing(SMS phishingの略語)
テキストやメールで、ソーシャルセキュリティー番号、銀行口座、クレジットカード番号を「verify」しようとする詐欺。テキスト、メールに返信せず、自分の銀行に直接問い合わせること。

税金申告詐欺
税金申告を助けるウェブサイトを偽り、メールでリンクを送り、ソーシャルセキュリティー番号などの個人情報を盗もうとする詐欺。リンクをクリックせず、メールごと捨てること。

医療器具の営業ロボコール
「Press 1 for a free device」とか「Press 5 to opt out of future calls」といったメッセージが流れたら、その番号を押さずに、すぐに電話を切る。その番号を押す=詐欺師がかけた番号が誰かに属していることを知らせることになり、何度も詐欺電話がかかるようになる。

グランドペアレンツ詐欺
日本でいう「オレオレ」詐欺。SNSなどで家族の情報を得た詐欺師が、孫の名前や祖父母の名前を騙り、または彼らの代理人を騙り、「緊急事態だから、すぐに送金(wire money)してほしい」と請う詐欺。すぐに対応せず、孫、祖父母に連絡して確認すること。

オンライン・デート
オンラインのデートサイトで出会い、相手にちょっとしたギフトを送り信用を得て、そのうちに大金を借りたいと申し出る詐欺(多くの場合はwire送金で)。この手の詐欺師は、米国外在住者であることが多い。

Jury Duty
政府を騙り、「あなたは陪審員義務を無視した」と電話をかけ、「クレジットカードで罰金を払いなさい」か「ソーシャルセキュリティー番号を言いなさい」と要求する。正式なJury Dutyの連絡は必ず書面。電話=詐欺なので、すぐに電話を切ること。

葬儀の知らせ
メールで葬儀の知らせが届き、「詳細」を知るにはリンクをクリックするよう誘導される。このリンクをクリックすると、マルウエアを使ってパソコンの個人情報を盗まれるので、疑わしい葬儀メールは開かずに「削除」すること。葬儀以外にもバリエーションがあるかもしれないので、要注意。

IRS詐欺
IRS、またはIRSから委託された業者を騙り電話をしてきて、未納の税金を払うよう要求する。Jury Dutyと同じで、IRSは電話やメールでは連絡をしない。必ず書面なので、それ以外の通知は明らかな詐欺。無視して電話を切ること。

ビザ申請詐欺
移民局の職員を装って電話をかけ、パスポート番号などの個人情報を聞き出そうとするか、追加の申請料を払うよう要求する詐欺。移民の弱みにつけ込み、高飛車な口調で要求してくるのが特徴。移民局(800-375-5283)に直接電話をして確認を。

偽の借金取り立て
電話をかけ、ボイスメールを残し、すぐに借金を返済しないと訴えると脅される。自分が口座を持つクレジットカード会社に電話を。

詐欺をレポートしよう!
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■800-771-7755
www.ag.ny.gov

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Consumer Response Center
■877-382-4357
www.ftc.gov

NYS Department of Stare Division of
Consumer Protection Helpline
■800-697-1220
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