2018年4月27日号 Vol.324

メーク・ハードカバー
グレート・アゲイン?

しょっちゅう駄洒落のネタにされるトランプ大統領のキャッチフレーズ「メーク・アメリカ・グレート・アゲイン」。そのトランプ人気(?)が今、ハードカバー本の売り上げを「グレート・アゲイン」にしている。
マイケル・ウォルフ著のトランプ政権暴露本「Fire and Fury: Inside the Trump White House」(邦題「炎と怒り―トランプ政権の内幕」)は、発売前から予約注文が殺到。アマゾンで7週間、書籍売り上げ1位をキープ。4月18日現在、世界中で200万部以上が売れており、そのうちハードカバーが140万部だと見積もられている。出版直後の書籍不足から、電子本の売り上げまで引き上げたというから、トランプ人気ここに極まれり…ってか!?
ウォルフとデービッド・コーン共著のロシア疑惑本「Russian Roulette」も4月初め、アマゾンで1週間売り上げ1位となった。
そして4月半ば、FBI前長官ジェームズ・コミーのメモワール「A HIGHER LOYALTY, Truth, Lies, and Leadership」がアメリカで発売になった。初版85万部で、すでにアマゾンで売り上げ1位の記録更新中。日本でも翻訳本「強い忠誠心、真実、嘘、リーダーシップ」が、5月1日に発売される予定だ。
トランプがいちいちツイートでこれらにいちゃもんを付けるのも、本の売上をさらに助ける結果になっている。
ちなみに、トランプ擁護本も2冊ほどアマゾンのベストセラーリストに食い込んだ。元トランプの顧問コーリー・スワンドウスキとデービッド・ボシー共著「Let Trump be Trump」と、保守派評論家ジェローム・コルシ著「Killing the Deep State」だ。それぞれ売上6位と15位で、1位にはなれずじまいでいるが。今、トランプ効果で一攫千金中の出版業界だ。

クオモ対ニクソン!
市長はどっちにつく

女優のシンシア・ニクソン(「セックス&ザ・シティー」のミランダ)が、9月の党内選挙で、民主党の現アンドリュー・クオモ知事の対抗馬として打って出た。ワーキング・ファミリーズ・パーティー(WFP)の正式支持を得て、派手な知事選を展開している。
ニクソンは、デブラジオ・ニューヨーク市長の支持者として知られる。その市長がさてクオモかニクソンのどちらに、いつかは正式支持表明をしなければいけないのだが、市長とクオモ知事が犬猿の仲なのは周知の通り。ニューヨークポスト紙のコラムニスト、マイケル・グッドウィンは、「結果的に負けた側についた場合を考えると、どちらについてもリスキーだ」と書いている。
情を立てれば仲良しのニクソン支持だろうが、政治初心者のニクソンは今のところ党内での支持率は低い。4月半ば、58―27でクオモ知事有利。出馬表明時の66―19から数ポイント追い上げているものの、ニクソン不利は変わっていない。
クオモ知事を「隠れ共和党だ」と叩くニクソンに、知事は沈黙を続けている。ここまで州政治が同じ党内で激突するのは極めて珍しいことだそうだ。とりあえず、クオモ=ニクソンの討論会は見ものだし、今後の市長の出方も注目したいところだ。

オピオイド系鎮痛薬
処方数が減少傾向に

オキシコドンなどのオピオイド系鎮痛薬の処方数が、昨年アメリカで激減したという調査結果がある。オピオイド鎮痛薬は極めて依存性が高く、法律で医療用に使用が許可されているが、れっきとした麻薬だ。全世界でのオピオイド系鎮痛剤の実に3割が米国内で使用されており、それだけに依存者も多い。
それが昨年、処方数が前年比9%減少で、過去25年間最大の減少率となった。それが、イコール依存症患者の減少とは言い切れないし、闇市場も健在だろうが、とりあえず節操なく処方箋を書く悪徳医師は減ったということだろうか。



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