2018年4月13日号 Vol.323

地下鉄の銅線泥棒は
プリンス・ヘイズ!

ほんとかなあという記事が、エープリルフールの4月1日、ニューヨークポスト紙に載っていた。
地下鉄のトンネル内で、電気配線から銅線だけを抜き取る「銅線泥棒プリンス・ヘイズ」の物語。「ヘイズ王子」じゃない。プリンスはただの名前だ(綴りもPrince!)。いっそのことおとぎ話風に一席。

56歳になるブルックリン出身の痩せぎすの黒人オヤジがおるげな。。銅線盗みの常習犯で、1989年以降の逮捕歴はなんと49回。2016年には2年の懲役を食らい、今は州外の刑務所で服役中だとさ。罪状はもちろん地下鉄の銅線泥棒。
プリンス・ヘイズは、盗んだ銅を、クズ鉄収集場みたいな所で売って、日銭を稼いでいるそうな。その盗み方がスリル満点で、必ず電車がフルスピードで近づいてくるタイミングで、電気配線を切って、そこから銅だけ抜いて行くというから、さあ驚き。今まで感電死しなかったのが不思議なくらいだと、おまわりさんたちは言ったとさ。
自分が死ぬなら自業自得。でも市民にとっての問題は、これが地下鉄の遅延原因の一つになっていること。修理費もかさむわけでなあ、悪いことに、地下鉄値上げの原因にもなっているとさ。

さて、NYPDもMTAも手を焼く問題オヤジ。ポストの記事は、そいつが今年7月に出所するから気をつけろ、というものだった…。

大好きなバナナパン
14歳の少年起業家

自宅でバナナパンを焼いて、ネットで注文を取り、自転車で配達してお小遣い稼ぎをしている少年がいる。バッテリーパークに住むジャック・グリーンリーフ君だ。今年も4月から始まった人気野外フードイベント、ブルックリン・スモーガスボードに最年少で店を出し、話題になっている。1000以上の出店希望から、選ばれるのはわずか20店という狭き門だ。
ジャック君は、ウェブサイト「ブレッド・アンド・モンキー」(www.breadandmonkey.com)でパンの注文を取る。2017年夏から始め、これまで384斤(きん)を売ってきた。
平日はお母さんと一緒にコストコでベーキングソーダや小麦粉、卵、バター、砂糖、バナナを大量に仕入れ、日曜日に焼いて、出来立てを自ら配達して回る。今の所、自転車で配達できる範囲ということで、注文はローワーマンハッタンに限定。
4月初めのスモーガスボード初日には、オリジナルの「バナナブレッド・フレンチトースト」を初披露した。料理が大好きで、10歳からパンを焼きだしたというジャック君。
90年代以降、大企業に押しつぶされた小中規模店だが、ネット時代こそスモールビジネスの時代。アイデア次第で、趣味を楽しみながらビジネスにできることを、さらりと示してくれている、実に頼もしい14歳だ。

哀愁のグリーンキャブ
未来はあるのか?

マイケル・ブルームバーグ市長時代の2013年、「マンハッタン以外を流すキャブ」として現れたグリーンキャブ。初年度に6000台のメダリオン(キャブの所有権)が売られ、2016年までに1万8000台に増えるはずだった。
しかし現実には伸び悩み、2015年で6300台あったものが、2017年には4000台に減ってしまった。
当初はニューヨーク市のキャンペーンによる後押しもあった。ウェブサイト「boro-taxi.org」を立ち上げ、利用者からどの地域でグリーンキャブの需要があるかなど、意見を集めていた。ところが、今はこのサイトも閉鎖。ウーバーなどのアプリ系カーサービスに飲まれるまま。実際、グリーンキャブを手放し、アプリ系に鞍替えするドライバーは後を絶たないのが現状だ。
今後、グリーンキャブが電話で呼ぶカーサービスに参入することが決まっており、そうなれば需要も高まると、タクシー&リムジン協会は期待している。



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