2018年2月9日号 Vol.319

大手3社の社員福祉
独自のヘルスケア!

アマゾン(オンライン小売業他)、JPモルガン・チェイス(金融)、バークシャー・ハサウエー(持株会社)の米大手3社が1月末、米国内の社員向けに独自の医療保険サービスを開始すると発表。詳細は不明だが、それでも米保険業界へのインパクトは絶大で、瞬時に保険会社各社の株価が下降を見せた。
発表記者会見でバークシャー・ハサウエーのCEOウォレン・バフェットは今のアメリカの医療保険を、「hungry tapeworm on the American economy(アメリカ経済を蝕む回虫)」と批判。
この3社がそれに対する解答を持っているわけではないが、それに泣き寝入りするつもりもないとしている。3社の莫大な資産で、社員とその家族のための独自のヘルスケア組織を作り、営利目的でない医療の提供を目指すという。
うーん、羨ましい。記者会見では、「最終目的は3社の社員だけにとどまらず、アメリカ国民全員を対象にした解決策を模索する」と大風呂敷を広げている。つい期待してしまうのは浅はかだろうか。何しろトランプはオバマケアを潰すとほざき続け、代替案はあるのかといえば、ない。この際大手に大手たる社会的役割を果たしてもらい、医療システムに風穴を開けてもらおうじゃないですか。
ちなみに、米連邦機関センターズ・フォー・メディケア&メディケイド・サービシズによると、全米の医療支出総額は2016年で3兆3000億ドル(前年比4・3%増)で、物価上昇率2・1%の倍以上。医療支出は2017年米経済全体の18%を占め、医療費はこれから2025年まで年平均5・6%増加すると見込まれている。

NY市のホームレス
1万人ホテル住まい

以前ニューヨークに住んでいた東京の友人が、去年久々にニューヨークを訪れ「ホームレスが増えたね」と驚いていた。実際、デブラジオ市長になってから増えた。必然的にホームレスシェルターが不足し、市が対応に窮している。
納税者として頭にくるのが、静かな住宅街や、ミッドタウンのど真ん中のホテルが、シェルター代わりに使われ始めたこと。最近地元紙でも取り上げられているように、2月1日現在でニューヨーク市内のホテル在住のホームレスは1万1000人。過去最高の数だ。
マンハッタン西55丁目のウエリントンホテルもついにホームレス対策に駆り出され、55室に120人が住んでいるというから呆れる。一泊200〜300ドルの宿泊費。誰がその費用を払うのかというと、納税者である我々市民なのだから。
西58丁目の元サヴォイホテルも、市によってホームレスシェルターに転用されることが年明けに発表された。すぐ裏手は高級アパートで、ミッドタウンの住民は大反対していることは言うまでもない。
これまでホームレスは、俗に「クラスター(cluster)」と呼ばれる荒廃したシェルターに収容されていたが、デブラジオ市長が「劣悪な環境だ」として、ホテルのシェルター転用を始めた。
ホームレスにもそれぞれ事情はあるだろうし、実際彼らの多くは精神疾患を抱えている。
それでも、彼らのほとんどはアメリカ生まれのアメリカ人。とても同情する気になれない。移民が働いて税金を払っているのに、アメリカ人にそれができないはずないと思うのだが。

バレンタイン商魂
ペット市場を席巻

全米小売連盟(NRF)は、今年のバレンタインデーの売り上げを、前年比8%増の196億ドルになると予測している。その増幅を支えるのが、ペットのバレンタイン商品だそうだ。ペット商品だけでみると、前年度比27%増が予測されている。
 アメリカのペットの飼い主は、圧倒的にミレニアル世代が多い。この層が愛する飼い犬・猫のために、バレンタインデーのプレゼント(ハート型のペット用おもちゃとか)を買うのだそうだ。



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