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2025年4月11日号掲載|3
ジュリアン・セカルディ初個展
日本アニメや漫画に影響
「アダルト・シアター」
ニューヨークを拠点に活動するアーティスト、ジュリアン・セカルディの個展「アダルト・シアター(Julien Ceccaldi : Adult Theater)」が、クイーンズのMoMA PS1で8月25日(月)まで開催中だ。
アメリカでは初の個展で、大規模な新作絵画を展示。1階ギャラリーを、建築的なスケールで変貌させている。

モントリオールで生まれたセカルディ。5歳の時、放送されていた仏・米・日合作のテレビアニメ「魔法少女レインボーブライト」に出会ったことが、現在も続く彼の「執着」を育んだとされている。「魔法使いサリー」や「太陽の子エステバン」に夢中になり、ディズニーのプリンセスを描くことが好きで、最終的にはお気に入りのアニメキャラクターを描くようになっていった。
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7歳でフランスのサンリスへ移転。中世の城壁や古い街並み、ゴシック様式の大聖堂など、少年にとって、まるでファンタジーアニメの世界に迷い込んだようだった。地元のゲームセンターで、「ソニック」や「ストリートファイター」を、テレビゲームで「ファイナルファンタジー」をプレイ、ゲーム雑誌に掲載されていた漫画を読みふけっていたという。

日本のアニメや漫画は、西洋のものよりも一層ファンタジックでありながら、「性」や死を怖れずに表現。人間の欠点や醜い部分を率直に描くスタイルは、セカルディ作品の根底にあるものだ。デジタル文化や過剰消費、現代社会における「デジタル支配」といったテーマを扱いながらも、作品には「手作りの質感」を持たせることで、「デジタル」と「アナログ」を対比。アニメの特徴である感情的でメロドラマ的な世界観の中に、内在する対立や複雑な感情を表現している。
ニューヨーク居住者は入館無料。詳細・予約はウェブサイトで。
Julien Ceccaldi: Adult Theater
■3月27日(木)〜8月25日(月)
■会場: MoMA PS1
22-25 Jackson Avenue, Queens
■推奨入場料:大人$10、学生/65歳以上$5
※16歳以下、メンバー、NY在住者無料
■https://www.momaps1.org/en