よみタイム|2025年5月9日号・Vol.493デジタル版 & バックナンバーはこちら

メトロポリタン恒例の屋上展示、ジェニー・C・ジョーンズ「アンサンブル」

Advertisement

2025年4月25日号掲載|3

メトロポリタン恒例の屋上展示
風が奏でる彫刻の交響曲
ジェニー・C・ジョーンズ「アンサンブル」

今年でシリーズ12回目となるメトロポリタン美術館恒例の屋上展示「ルーフガーデン・コミッション」が、10月19日(日)まで開催中だ。

ジェニー・C・ジョーンズ
①プレビューに来場し挨拶するジョーンズ氏  Photo by KC of Yomitime

作品は、ジェニー・C・ジョーンズ=写真①=作の「アンサンブル(Ensemble)」。同氏が手がけた屋外彫刻インスタレーションは、2020年のマサチューセッツ州のクラーク美術館以来、2回目となる。

作品は、弦楽器をイメージした3つの大きな彫刻で、深みのある赤の粉体塗装アルミニウムとコンクリートパネルで構成。色彩は、メトロポリタン美術館のグレート・ホールに使われているトラバーチン石に合わせて設計された。

Advertisement

低い台形の彫刻は「チター(Zither)」に、縦に細長い彫刻は「エオリアンハープ(Aeolian harp)」に、支柱2本と1本のバーからなる彫刻は「一本弦の楽器」にインスピレーションを受けている。彫刻は同じ空間の中で調和し、視覚的な「アンサンブル」を表現。また、3体は「楽器」としての姿でありながらも鑑賞者が触れることを許さず、「演奏」は風に委ねられている。

ジョーンズは作品について「触れることのできない楽器は、『予感』『失敗』『待機』『焦燥』といった感情の余白を開くのです」と説明している。

Jennie C. Jones, Ensemble
Jennie C. Jones, Ensemble (Photo by KC of Yomitime)

今回の展示が終了した後、屋上スペースは改装工事に入る。新展示スペース「オスカー・L・タン・アンド・H・M・アグネス・シュウ・タン・ウィング」の建設に伴うもので、次に屋上が開放されるのは2030年以降になる予定だ。

Jennie C. Jones, Ensemble
■4月15日(火)〜10月19日(日)
■会場:The Met Fifth Avenue
 1000 Fifth Avenue
■$30、シニア$22、学生$17、12歳以下無料
※入場無料:NY州在住者、NY/NJ/CTの学生
https://www.metmuseum.org

Jennie C. Jones, Ensemble

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

シェアする!