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岡崎奈津子「寄り添う支援を形に」(JASSIディレクター)

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岡崎奈津子
「寄り添う支援を形に」
困った時の「駆け込み寺」JASSIディレクター

2026年2月6日号掲載|8

「日米ソーシャルサービス(Japanese American Social Services, Inc)」、別名「ジャシー(JASSI)」は、言葉と文化の違いから生まれる日本人や日系人と、社会福祉システムの間のトラブルをサポートする非営利団体だ。新たな年の始まりに、日系人のための「駆け込み寺」として、現場の支援と組織の運営に携わるディレクターの岡崎奈津子さんに、抱負を聞いた。(ケーシー谷口)

岡崎奈津子

人と関わる仕事に

2010年に来米した岡崎さん。「小さい頃から海外で暮らしたいという思いがあり、語学留学をきっかけにNYへ来ました。その後、大学で社会福祉学を専攻し、米国在住の日本人・日系人が抱える問題や、日本では経験できなかった人種間の課題に触れることができました」これらの経験が、NYで社会福祉支援に携わりたいという思いにつながっていった。

「学習を進める過程で、子どもの発達や支援、教育などの課題にも関心が移り、「チャイルド&ユース・スタディ」と呼ばれる分野を学びながら、社会福祉への思いをいっそう強くしていったことを覚えています。」

大学院ではソーシャルワークを専攻し、インターン先を探していた際に「ジャシー」の存在を知る。日本語で相談できる社会福祉団体であることから働くようになった。

人と人、コミュニティーとコミュニティーを繋ぐ

岡崎さんは現在、ジャシーのディレクターとして、新規プログラムの企画・運営、スタッフの育成、インターンのトレーニング、助成金管理、他団体との協力など、現場と組織運営の両面に携わっている。

「もちろん他団体とも協力していますが、特に関わりが深いのは日系団体やアジア系の団体です。ジャシーの活動は、ボランティアの皆さんの支えが大きく、その想いや行動が、スタッフやクライエント一人ひとりの安心につながっている。『誰かの役に立ちたい』という皆さんの気持ちが集まり、私たちの支援の現場を支える大きな力となってます」

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「ナビゲーター」がお手伝い

ジャシーの支援は、ビザ、健康・保険、住居、法律など、多岐にわたる分野での対応や情報提供だ。

「問い合わせが一番多いのは健康・保険です。NY州の資格を持つ『コミュニティ・ヘルス・ナビゲーター』のスタッフ3人が、クライエントお一人おひとりに合った健康保険の加入や更新を、日本語で無料でお手伝いしています。ジャシーのクライエントは、学生、駐在員、永住者などさまざまですが、ナビゲーターが状況に応じて適切にアドバイスしています」

病気やけがで医療サポートが必要になった際、「健康保険に加入していなかった」「どこの病院に行けばよいのか分からない」「医療費はどうなるのか」と不安になり、慌てて相談に来るケースも少なくないという。「不安に思うことがあれば、すぐにご相談ください。一人で抱え込まず、些細なことでも気軽にご相談いただきたいです」と呼びかける。

その他、ビザや公的支援に関する問い合わせも多く寄せられている。「私たちスタッフが対応ができない専門的なご相談については、適切な専門家や関連団体をご紹介しています」

日本へ永久帰国を考える人へ

在米歴の長い高齢者でも、日本への一時帰国や、永久帰国を考えているケースが増えているという。しかし長く離れていた日本で、住居や保険などの問題をクリアするのは容易ではない。

「NY在住の日本人の平均年齢が高くなり、以前はそれほど頻繁ではありませんでしたが、最近は永久帰国希望者が増えているという印象があります。そのための手続きで何から始めてよいかわからない、というご相談があります。まずは、お話しを聞きながら、帰国に向けた情報整理からはじめ、日米両国の制度に関する説明、関係機関への紹介などを行なっています。高齢で日本に親族がいない場合や、経済的な余裕がない方も多く、帰国が難しいケースがあるのも事実。そんな時でも、それぞれの方に適切な方法を一緒に考えています」

AAPI Rally
2022年5月5日に行われたAsian American and Pacific Islander(AAPI)のラリーの様子。ジャシーを含む100人以上の地域団体や支援者が参加した。

集いの場から生まれる支援

「やはりガラ・ディナー(年次晩餐会)がジャシーにとって最大のイベントです。ガラの収益およびご寄付は、私たちが無料でクライエント支援を行うとても大切なファンドレイジングとなります。その他、JAA(Japanese American Association of NY /ニューヨーク日系人会)が主催し、JMSA(Japanese Medical Society of America/米国日本人医師会)と、JAMSNET(Japanese Medical Support Network/法人医療支援ネットワーク)が協賛する春と秋のヘルス・フェアで、健康保険のセミナーをはじめ、過去には高齢者の住宅や認知症に関するセミナーも行いました。いずれも日米に制度の違いを理解してもらうことが目的です」

定期的なイベントとしては、高齢者のための「茶話会」を開催している。「ジャシーの無料シニアプログラムにご登録いただいている方なら誰でも参加可能で、現在、対面茶話会は毎月第2月曜日、リモート茶話会は毎週月曜日(第二月曜日を除く)に行っています。情報提供を目的とするよりも、皆様が『孤立しないこと』『人とのつながりをもつこと』を大切にしています」

ひとりひとりに寄り添ったサービスを

日々、広範囲に及ぶ業務をこなす岡崎ディレクター。「ジャシーのミッションである『在米日本人・日系人の生活の質向上を図る社会福祉支援』を大切にしながら、皆様が安心して暮らせる環境を支えていきたい。今後も一人ひとりの声に丁寧に耳を傾け、必要とされる支援へとつなげていきたいと思っています。今後もジャシーは、『日系コミュニティーの駆け込み寺』として、困ったときに一人で悩みを抱え込むことなく、安心して相談できる場所であり続けるため、尽力していきたいです」と、穏やかな表情で結んだ。

Japanese American Social Services, Inc.(JASSI)
■住所:100 Gold Street, Lower Level
 New York, NY 10038
■Tel: 212-442-1541、info@jassi.org
 月~金10:00am〜5:00pm
https://jassi.org

岡崎奈津子

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