よみタイム|2025年3月14日号・Vol.489デジタル版 & バックナンバーはこちら

北米最大の日本新作映画祭「JAPAN CUTS~ジャパン・カッツ」

北米最大の日本新作映画祭
日本からゲスト11人来米
「JAPAN CUTS~ジャパン・カッツ」

ジャパン・ソサエティー(JS)が毎夏恒例の日本新作映画祭「JAPAN CUTS~ジャパン・カッツ」を、7月10日(水)から21日(日)まで開催する。国際プレミア5作品、北米プレミア10作品、米国プレミア4作品を含む全31作品を一挙に上映。

ほかげ
①「ほかげ」 ©2023 SHINYA TSUKAMOTO / KAIJYU THEATER

今年の「カットアバーブ(Cut Above)賞」は、俳優・森山未來(「ほかげ」=写真①=)に授与されるほか、「特別生涯功労賞」がベテラン俳優・藤竜也(「大いなる不在」=写真②=)に授与される。

大いなる不在
②「大いなる不在」©2023 CREATPS Inc.

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NYで夏の風物詩として定着したジャパン・カッツは、今年17回目。幅広いジャンルの作品を上映し、「日本映画の今」を俯瞰する。

長編作品の「Feature Slate)」部門、若手監督作品の「Next Generation」部門、「クラシック」部門、「新作短編映画」部門に分けて上映。期間中、11人のゲストを迎え、レセプションパーティーや質疑応答の時間を取るなど、盛りだくさんの内容だ。

オープニングを飾るのは、俳優・池松壮亮主演「白鍵と黒鍵の間に」=写真③=(北米プレミア)。冨永昌敬監督をゲストに迎え、この映画の中のジャズそのもののように、自由で独創的な1980年代の銀座に、観客をタイムトリップさせる。

白鍵と黒鍵の間に
③「白鍵と黒鍵の間に」©2023 Hiroshi Minami / Shogakukan / Between the White Key and the Black Key Film Production Committee

森山未來と藤竜也
上映後ゲスト登壇

「カットアバーブ賞」受賞の森山未來と、「生涯功労賞」受賞の藤竜也が来場。

森山主演の「ほかげ」(塚本晋也監督)は、例年ジャパンカッツで注目作品として上映する「センターピース」枠。戦後の絶望の中を生きる片腕が不自由な男という、難しい役柄を見事に演じ切った。上演後に行われる授賞式には、森山と塚本監督が出席する。

生涯功労賞の藤は、最新主演作「大いなる不在」の上映後に、近浦啓監督と共に登壇。大島渚監督で世界的に知られる「愛のコリーダ」をはじめ、約60年にわたり多くの代表作を残してきた俳優だ。

「大いなる不在」では、森山未來と親子として共演。記憶、家族、喪失という深いテーマを、力強く体現している。

箱男
④「箱男」©2024 The Box Man Film Partners

その他、石井岳龍監督(「箱男」=写真④=「水の中の八月」)、湯浅典子監督(「カオルの葬式」)、女優・田畑智子(「お引越し」修復版)などがゲストとして来米する。

「クラシック部門」では、1980~90年代のインディペンデント映画を代表する3作品を上映。

相米慎二監督の傑作「お引っ越し」4K修復版、石井岳龍監督(当時:石井聰亙)の1995年のカルトSFファンタジー「水の中の八月」、池田敏春監督「人魚伝説」の3作だ。

「マンガ大賞2020」を受賞した山口つばさの人気漫画を実写映画化した「ブルーピリオド」=表紙写真下=や、藤本タツキの読み切り漫画を劇場アニメ化した「ルックバック」=表紙写真上=では、日本が世界に誇る「漫画文化」を映像で紹介する。

庵野秀明と樋口真嗣によるゴジラシリーズ2016年傑作をモノクロで描いた「シン・ゴジラ:オルソ」の国際プレミアや、北野武監督による戦国スペクタクル「首」など、話題作が目白押しだ。

  • 7月10日(水)〜21日(日)
  • 会場:Japan Society:333 E. 47th St.
  • 一般$20、JS会員$14、シニア/学生者$18
  • 短編:一般$12、JS会員$5、シニア/学生$10
  • ※クラシック部門作品特別割引あり
  • ※オープニング、センターピース、生涯功労賞:一般$25、JS会員$18、シニア/学生$23
  • ※Q&A付き上映会:一般$24、JS会員$17、シニア/学生$22
  • ボックスオフィス:TEL: 212-715-1258
  • japansociety.org/film/japancuts
  • ★上映日程:日本語上映/英語字幕付き
  • 7月10日(水)6:30pm「白鍵と黒鍵の間に」
  • 7月11日(木)6:30pm「キリエのうた」
  • 7月12日(金)6:30pm「唄う六人の女」|9:00pm「映画(窒息)」
  • 7月13日(土)11:00amショート・カッツプログラム1
  •  12:30pm「少女は卒業しない」
  •  3:00pm「ブルーピリオド」
  •  5:30pm「箱男」
  •  9:00pm「春の画 SHUNGA」
  • 7月14日(日)1:30 pm「ルックバック」
  •  3:00 pm「鯨の骨」
  •  5:30 pm「水の中の八月」
  •  9:00pm「シン・ゴジラ:オルソ」
  • 7月15日(月)6:30pm「莉の対」
  • 7月16日(火)6:30pm「夜明けのすべて」|9:00pm「首」
  • 7月17日(水)6:30pm「ほかげ」(センターピース)
  • 7月18日(木)6:30pm「大いなる不在」(生涯功労賞)
  • 7月19日(金)6:30pm「お引越し」| 9:30pm「チャチャ」
  • 7月20日(土)11:00amショート・カッツプログラム2
  •  12:30pm「アイスクリームフィーバー」
  •  3:00pm「ブルーイマジン」
  •  5:30pm「カオルの葬式」
  •  8:30pm「人魚伝説」
  • 7月21日(日)11:00am「カラフルな魔女 〜角野栄子の物語が生まれる暮らし〜」
  •  1:30 pm「彼方のうた」
  •  3:30 pm「リテイク」
  •  6:00 pm「小学校〜それは小さな社会〜」
  •  8:30 pm「シン・ゴジラ:オルソ」(アンコール上映)
ジャパンカッツ

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