2023年4月14日号 Vol.443

金属製品にご注意

アメリカで一般的なhip surgery、日本では人工股関節置換術と言われています。壊れた関節を、“器械”である“人工の関節”に置き換える治療で、器械の力を借りて痛みのない関節で体重を支え、安定した歩行を取り戻すことが、この手術の目的です。多くの高齢者にとって、歩行・運動能力を取り戻すための画期的な手術であり、その後の生活を満喫している人が多くおられます。しかし、使用する素材によっては致命的な結果を招くかもしれません。

この技術が開発された頃の人工股関節は、金属製の「ボール」とポリエチレン(プラスチック)製の「ソケット」を使用するのが一般的でした。しかし1966年に股関節の「ボール」と「ソケット」の両方に、コバルトとクロムを含む合金を使用したMetal-on-Metal (MOM)という素材が開発されました。MOM製の人工股関節は、従来使われていた金属とプラスチック製よりも摩耗が少なく耐久性に優れ、大腿骨頭(ボールとソケットの「ボール」の部分)を大きくできるため、患部が安定し可動域が広がり、脱臼の可能性が低くなるなどの利点があると考えられていました。



しかし、通常の摩耗や損傷から生じる摩擦によって、金属粒子は周囲の組織や血管に流出します。これらの粒子が体内に蓄積されると、金属毒性や、流出したコバルト粒子によるコバルト症を引き起こし、組織死や骨量減少からアルツハイマー病に似た神経合併症に至るまで、様々な症状を引き起こすのです。

アラスカの整形外科医・タワー医師は、MOMの人工股関節置換術を受けた数ヵ月後、自分の手の震えに気付いたそうです。耳鳴りがするようになり、思考が混乱し、繰り返し同じことを話すようになりました。そしてある医学会に出席した時、タワー医師は精神に異常を来し、宿泊先のホテルの部屋を荒らし回ったそうです。

その後、病院で検査したところ、血液中のコバルト量が通常の100倍もあることが判明。その後、自分の患者の血中コバルト値を調べるようになり、MOMでなくてもコバルトクロム合金を使った人工股関節置換を受けた人は、コバルト値が高く、何らかの症状を抱えていることがわかったそうです。ですので、コバルトクロム合金の部品を体内に使わずに別の選択がないか調べてみることをお勧めします。
 
ということで今回は、重金属デトックスに欠かせないワイルド・ブルーベリーを使った一夜漬けオートミールプリンをご紹介します。
★今週のレシピ★
「ワイルド・ブルーベリーの一夜漬けオートミールプリン」

■材料(1人分)
●ワイルド・ブルーベリー(冷凍でOK)半カップ
●乾燥オートミール 3分の1カップ
●バナナ(なるべく熟したもの) 4分の3カップ
●生はちみつ 大さじ1〜2(必要に応じて)
●チアシード 大さじ1
●アーモンドミルク 半カップ

■作り方
材料を全部ブレンダーに入れて、混ぜたものを一晩、または最低3、4時間寝かせます。16オンスの小さいブレンダーを使うと便利です。フードプロセッサーでも問題なし。トッピングに好きな果物をのせてお召し上がりください。




鹿島 香(かしま・かおる)
米国代替医療協会認定ホリスティック・ヘルス・カウンセラー。
遺伝子組み換え食品に反対する非営利団体主宰。
TEL: 917-478-2192 kaoru@krlllc.com
www.kaorukashima.com

HOME