2022年12月13日号 Vol.436

次の血液検査項目に加えたい
新たな予測因子「TMAO」

いよいよ新年ですね。2023年が皆さんにとって良い年でありますように。

ところで、皆さんは年に一度の健康診断を受けていらっしゃるでしょうか? 血液検査は、毎年の数値の変化がわかるように記録をつけることをお勧めします。基本的な血液検査に追加すべき項目はたくさんあるのですが、心血管系疾患(血栓、心臓発作、脳卒中、心不全)が心配な方は、主治医と相談してTMAOを検査項目に加えるとよいかもしれません。

ある臨床研究によれば、血中TMAO値を検査することで、「一見健康に見える患者さんの心臓発作、脳卒中、死亡の将来のリスクを効果的に予測する」ことができるのだそうです。ですから、たとえ体調が良くても、特に高齢の方はこの検査を受けてみるのが賢明かもしれません。気になる、という人は次の健康診断にはぜひTMAOを追加してみてください。

ちょっと専門的になりますが、大事なことなので、研究結果などを紹介しなが説明しますね。TMAOは「トリメチルアミンN-オキシド」と言う物質。植物や動物の体が分解する過程で悪臭を発する物質・TMA(トリメチルアミン)から生成される有機化合物です。

TMAは、腸内細菌がコリン、レシチン(ホスファチジルコリン)L-カルニチンを代謝する際に生成され、血液を介して肝臓に運ばれ、主にFMO3という酵素によって酸化され、TMAOへと変換します。



延べ約2万人を対象とした19の研究をメタ分析した結果、TMAO数値が高いことと、心不全や脳卒中など心血管疾患の発症確率が上がることは、関連していることがわかりました。

また、延べ約77 00人を対象とした11の研究をメタ分析した結果では、酸化型TMAのレベルが高い人は、心臓病のリスクが23%上がり、死亡リスク(すべての原因による)が55%上がることが示されました。
さらに、ネズミによる実験では、TMAOは加齢とともに増加し、血管の酸化ストレスや炎症を引き起こし、内皮(血管の内張り)の機能不全を引き起こし、心臓病のリスクを高めると言われています。また、TMAOの高数値は2型糖尿病、腎臓病、肝障害、非アルコール性脂肪性肝疾患にも関連しているという研究結果が多く発表されています。

TMAOを増加させる食物は、赤肉、卵、乳製品、魚類など、コリン、レシチン、L-カルニチンを豊富に含むものとの説もありますが、それだけが原因とは断言できないと、多くの専門家は指摘しています。
肝臓や腎臓にも影響があるということは、老廃物や毒素を排泄する機能が弱まっている可能性が高いともいえるのではないでしょうか。TMAOは、腎臓を経由して尿排泄されるはずですが、腎臓がうまく働かなくなると、TMAO濃度が急上昇することが考えられます。心血管系疾患やその他の基礎疾患といった持病がある人は、TMAO値を調べると、何か関連性が見つかるかもしれません。

そういうわけで、皆さんの新年の健康増進を祈願し、今回は肝臓や腎臓に優しいカシュー・チーズ・ディップとマッシュルームソース焼きをご紹介します。
★今週のレシピ★
「カシュー・チーズ・ディップ」
コーンチップスや野菜スティックのディップとしても、ポテトなどにかけても美味しいですよ。

■材料(約2人分)
●生のカシューナッツ 半カップ(水に4〜6時間浸しておく)
●プレインのアーモンドミルク 半カップ
(他のビーガンミルクでもOK)
●水 半カップ
●白みそ 大さじ1
●ニュートリショナル・イースト 大さじ2
※サトウキビなどの糖蜜で発酵させた酵母で、スーパーフードです
●りんご酢 (アップル・サイダー・ビネガー)大さじ1
●アロルート粉(または片栗粉) 大さじ1

■作り方
@材料全てをブレンダーにかけ、クリーミーになるまでブレンドする
A小鍋に@を移し、中強火で5〜7分とろみが出るまで混ぜる。(その間、目を離さないように)
Bチーズのようなとろみが出たら火を止めて器に移し、冷まして出来上がり。


「カシュー・チーズ・ディップ」
コーンチップスや野菜スティックのディップとしても、ポテトなどにかけても美味しいですよ。


■材料(約2人分)
●生のカシューナッツ 半カップ(水に4〜6時間浸しておく)
●プレインのアーモンドミルク 半カップ(他のビーガンミルクでもOK)
●水 半カップ
●白みそ 大さじ1
●ニュートリショナル・イースト 大さじ2
※サトウキビなどの糖蜜で発酵させた酵母で、スーパーフードです
●りんご酢 (アップル・サイダー・ビネガー)大さじ1
●アロルート粉(または片栗粉) 大さじ1

■作り方
@材料全てをブレンダーにかけ、クリーミーになるまでブレンドする
A小鍋に@を移し、中強火で5〜7分とろみが出るまで混ぜる。(その間、目を離さないように)
Bチーズのようなとろみが出たら火を止めて器に移し、冷まして出来上がり。


鹿島 香(かしま・かおる)
米国代替医療協会認定ホリスティック・ヘルス・カウンセラー。
遺伝子組み換え食品に反対する非営利団体主宰。
TEL: 917-478-2192 kaoru@krlllc.com
www.kaorukashima.com

HOME