2022年7月8日号 Vol.425

潤い成分「セラミド」

アメリカには肥満が多いですが、2型糖尿病になる確率が白人は低く、黒人やアジア人は高いそうです。アジア人は体質的に筋肉質で細身の人種なので、少しでも脂肪が増えると体に異常が発生してしまうのではないかと、私は考えます。そして、セラミドという脂質が2型糖尿病のカギではないかと言われているので、今回はそのお話をしたいと思います。

セラミドは、他の脂質と同様に、体内で重要な機能を果たします。 脂質は細胞膜の構造の重要な部分であり、シグナル伝達分子であり、細胞の成長、分解などを含む多くの細胞機能に関与しています。またセラミドは細胞間脂質のひとつで、細胞同士をつなぎ、水分を保つ役割を持ちます。ですので、保湿に欠かせない潤い成分とも呼ばれ、化粧品などに配合されています。

ただ、セラミドのレベルが高いと体重を増やしすぎ、体脂肪が増えます。蓄積されたセラミドは、エネルギーを生み出す細胞の重要な部分であるミトコンドリアに損傷を与える可能性があり、メタボリックシンドロームと代謝性疾患につながる可能性があります。



そして2型糖尿病の人は、筋肉にセラミドが蓄積しており、血漿セラミドレベルが高いのです。太りすぎでインスリン抵抗性がある人に、このような状態が見られます。過剰なセラミドがある場合、インスリンのシグナル伝達に影響を及ぼします。インスリンは膵臓から分泌されるホルモンで、血糖値を細胞に吸収します。インスリンがないとブドウ糖は血中にとどまり、血糖値を上昇させます。

蓄積されたセラミドは、インスリンシグナル伝達経路に関与する酵素であるプロテインキナーゼを阻害し、これがグルコース代謝に悪影響を及ぼしインスリン抵抗性に寄与します。時間が経つにつれて、血糖値の上昇と2型糖尿病、それに関連する健康障害の発症につながる可能性があると言われています。
ではどうやってセラミドを減らすのかですが、高糖質よりも高脂質の食生活の方がセラミドレベルを上げるそうなので、脂質の種類や食べ方に気をつける必要がありそうです。

そこで今回は、良質の脂肪を使ったワインに合うおつまみをご紹介します。
★今週のレシピ★
「マグロのヨーグルト和え」

■材料(3人分)
●マグロの中落ち 100g
●新鮮なディル 細かく刻んだもの 大さじ1
●ナンプラー 小さ4分の3から1
●ココナッツヨーグルト(無糖) 半カップ
●ズッキーニ またはキュウリ(太め)2〜3mmのスライス6枚
●大葉 6枚
●塩 少々

■作り方
@マグロは小さく切ってボウルに入れる
A@にヨーグルト、ディル、ナンプラー、塩を入れてよく混ぜる
Bスライスしたズッキーニに大葉を乗せ、Aを乗せて出来上がり


鹿島 香(かしま・かおる)
米国代替医療協会認定ホリスティック・ヘルス・カウンセラー。
遺伝子組み換え食品に反対する非営利団体主宰。
TEL: 917-478-2192 kaoru@krlllc.com
www.kaorukashima.com

HOME