2022年5月27日号 Vol.422

アスピリンって実は…

血栓予防にはアスピリンを服用すると誰もが思っていますが、実は違います。今年4月、米国予防医学専門委員会(US Preventive Services Task Force=USPSTF)が、60歳以上の心血管系疾患の一次予防のためのアスピリン使用を否定する勧告を発表しました。加えて、心臓病になるリスクが今後10年で10%以上の40〜59歳の成人グループでは、アスピリンによる予防効果は低いという判断です。

そもそも血栓とは、止血し、血管を修復するために必要不可欠なもの。そして本来ならプラスミン(血液中で血餅=けっぺい=や血栓を溶かす働きをする酵素)の働きによって、血栓は自然に溶けます。ところが、食生活や生活習慣の乱れによって凝固系の働きが強まり、線溶系の働きが弱まると言われています。つまり現代人は血栓が出来やすく、溶けにくい体質になっているのです。この血栓ができた個所が脳の血管ならば、脳梗塞、心臓付近の血管ならば心筋梗塞になります。



もともと正常に働いていた機能が、食生活や生活習慣の乱れによって衰えるなら、食生活や生活習慣を改善することが、脳梗塞、心筋梗塞の予防になるということです。抗凝固剤としてのアスピリンやワーファリンには副作用が伴い、果たしてその副作用を上回る効果があるのかは、USPSTFの勧告が示すように、疑問です。

ではサプリメントには何があるかというと、ピクノジェノールがアスピリンと同等の血液凝固阻止効果を持ち、しかも低用量で安全性に優れていることが、相互比較試験で確認されています。また今年イタリアの研究者らが、網膜静脈血栓症の初回発症後の再発予防にピクノジェノールとアスピリンの効果を比較した結果、再発率はアスピリンがピクノジェノールの約5倍だったそうです。網膜の腫れ(浮腫)といった目への副作用も、ピクノジェノールの方が断然低いことがわかりました。ピクノジェノールの服用には主治医と相談し、まずは食生活や生活習慣の改善を始めるのが賢明でしょう。

そこで今回は、食物繊維やミネラルが豊富で、血圧を下げ、血栓を予防する働きがあると言われる食材を使った、ターメリック・ドレッシングのアスパラサラダをご紹介します。
★今週のレシピ★
「ターメリック・ドレッシングのアスパラガス・サラダ」

■材料(2、3人分)
●アスパラガス 一束
●アルグラ 2カップ
●スプリングミックス・レタス 2カップ
●イチゴ 適量

【ドレッシング】
●練りゴマ(タヒニ) 大さじ2〜3
●レモン汁  大さじ3
●E.V.オリーブオイル 大さじ1〜2
●すりおろしニンニク 小さじ半
●ターメリック 小さじ1.5
●醤油 小さじ半
●塩 小さじ4分の1
●コショウ 適量

■作り方
@アスパラガスは固い部分をとり、5センチぐらいの大きさに切って、鍋に水を入れた状態から火をつけて7、8分蒸し、蒸し終わったらさっと冷水に入れ冷ます。
Aドレッシングの材料を全部混ぜ合わせる。練りゴマの種類によっては、ドレッシングがサラっとならないこともあるので、その場合はレモン汁か水を加える。
Bレタス、アルグラを器に盛り、その上に@の水気を切ったアスパラと、小さく切ったイチゴを乗せ、 ドレッシングをかけて出来上がり。

※サラダの具には、キュウリ、アボカド、赤かぶなど、好きな野菜を足してみてください。


鹿島 香(かしま・かおる)
米国代替医療協会認定ホリスティック・ヘルス・カウンセラー。
遺伝子組み換え食品に反対する非営利団体主宰。
TEL: 917-478-2192 kaoru@krlllc.com
www.kaorukashima.com

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