2021年10月29日号 Vol.409

腸で作られる幸せホルモン「セロトニン」

ドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリンという物質名を聞いたことがある人は多いと思います。これら三大神経伝達物質は、相互に作用し合う関係にあります。ノルアドレナリンやドーパミンは、いわゆる「やる気」が起こる物質として知られています。これら2つの暴走を抑え、心のバランスを整える作用のある物質がセロトニンで、「幸せホルモン」とも言われます。セロトニンが不足すると、精神のバランスが崩れ、ストレスが溜まりやすくなり、暴力的になったり(キレる、みたいな状態)、落ち込みやすくなったりすると言われています。



そんな重要な働きをするセロトニンの95%が、腸で作られていることをご存じですか? 腸内で作られたセロトニンは、血液脳関門(BBB)というバリア機能によって、直接脳内に入ることはできません。しかし、「腸は第2の脳」と言われるように、腸内セロトニン濃度の情報が、腸と脳をつないでいる神経系に伝わり、脳の働きに影響を与えているのです。

したがって、腸内フローラ(びっしり細菌が張り付いている腸壁が、花園のように見えることからこう呼ばれます)の状態が悪くなると、脳内セロトニンが関わるとされるうつ病などの精神疾患につながります。また、セロトニンから生合成される睡眠ホルモン・メラトニンが不足することで、不眠症などの睡眠障害にもつながります。

セロトニンは体内で、食品中のトリプトファンというアミノ酸から作られます。そして、食事からのトリプトファンがセロトニンに変わるときに、ビタミンB6を必要としますが、そのビタミンB6を合成しているのが腸内細菌。つまりトリプトファン、B6、そしてバランスのとれた腸内環境が、私たちの「幸せ」気分作りを助けてくれるのです。そこで今回は、トリプトファンとB6を多く含む食材で作るタイカレーピラフをご紹介します。

今週のレシピ:「タイカレーピラフ」

材料(1、2人分)
●バスマティ玄米  半カップ
●野菜スープ 4分の3カップ
●ひよこ豆の煮豆 4分の3カップ
●玉ネギ みじん切り 半カップ
●マッシュルーム 細かく切ったもの 半カップ
●ピーマン(赤) 細かく切ったもの 4分の1カップ
●ピーマン(緑) 細かく切ったもの 4分の1カップ
●ココナッツミルク 半〜1カップ(注)
●レッドカレーペースト 小さじ1
●海塩 小さじ4分の1
●ガーリックパウダー 小さじ半
●ショウガ みじん切り 小さじ1
●アボカドオイル 小さじ2

■作り方
@底の厚い鍋を中火で熱し、アボカドオイルを入れ、玉ネギとマッシュルームを炒める。
A@の玉ネギがきつね色に変わったら玄米を入れてさっと炒め、野菜スープを加え、塩、ガーリックパウダー、ショウガを入れる。
B火を弱火にし、蓋をして20分炊く。
CBにピーマン(赤・緑)、ココナッツミルク、レッドカレーペーストを入れ、さらに20分炊く。
D火を止めて15分ぐらい蒸らし、ネギやパクチーをのせてお召し上がりください。
※注:水分が少ないようであれば、ココナッツミルクで調整してください。




鹿島 香(かしま・かおる)
米国代替医療協会認定ホリスティック・ヘルス・カウンセラー。
遺伝子組み換え食品に反対する非営利団体主宰。
TEL: 917-478-2192 kaoru@krlllc.com
www.kaorukashima.com

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