2021年9月3日号 Vol.405

神経細胞の新生を助ける栄養素

死んだ細胞が新しいものと交換されるのは、傷口が治ってくる過程で皆さんも理解しておられると思います。また巷では、7年ごとに全ての細胞が完全に再生されるというざっくりとした話もありますが、細胞の再生には実はもっと複雑なプロセスがあります。

今年1月、イスラエルのワイツマン科学研究所が、医学雑誌「Nature」で発表した研究結果で、人間の体は1日あたり約3300億個の細胞が死に、毎日交換され、約80日ごとに約30兆個の新しい細胞が生成されることが明らかになりました。これは体内の細胞の総数に相当する数です。また平均的な人間は、約46グラムの細胞塊を持っており、これは1年半ごとに再現されるそうです。

人間の細胞組織の再生力については様々な研究がありますが、生活習慣と栄養摂取の改善によって、再生が活発になると言われています。そこで、情報の伝達・処理を担う細胞=神経細胞(ニューロン)の新生を助ける栄養素についてお話ししましょう。



ブルーベリーや緑茶に含まれる抗酸化・抗炎症物質のポリフェノールと、カルノシンなどのアミノ酸は、脳、血液、その他の組織における活性酸素種の有害な影響を軽減すると言われており、 これらの物質を一緒に摂取すると、幹細胞も増加する可能性があるそうです。幹細胞とは、脳細胞、心筋細胞、骨細胞など、別の細胞になる能力を持つ特殊な細胞です。

またタマネギ、ケール、トマト、ブロッコリーなど、果物や野菜に含まれるフラボノイドの一種ケルセチンは、神経成長因子(NGF)、脳など、神経の新生を調節するいくつかの遺伝子発現を促進することで、成人の神経新生を促進することがわかっています。

今回は、フラボノイドたっぷりの野菜を使ったアスパラりんごサラダをご紹介します。

今週のレシピ:「アスパラりんごサラダ」

ドレッシング要らずの野菜の旨味を楽しめるサラダです。

材料(1人分)

●アスパラガス 5本(5cmくらいに切る)
●トマト 中半分(一口大)
●セロリ 1本(約15 cmを筋をとって短冊切り)
●ニンニク 中1片(薄くスライス)
●水菜 1カップ(ザク切り)
●塩・コショウ 少々
●オリーブオイル 大さじ1
●オレンジの絞り汁 大さじ1(レモン汁でもOK)
●リンゴ 適量(薄くスライス)
●バジル 好みで

■作り方
@ステンレスのバットに、アスパラガス、トマト、セロリ、ニンニクを入れ、塩・コショウをし、オリーブオイルを上からかける
A@をオーブントースターに入れ、140度ぐらいで15〜20分焼く
B皿に水菜を乗せ、Aの具を並べ、次にリンゴ、バジル(好みで)をのせる
CAのバットに残った野菜の汁をBにかけ、オレンジの絞り汁をかけて出来上がり


鹿島 香(かしま・かおる)
米国代替医療協会認定ホリスティック・ヘルス・カウンセラー。
遺伝子組み換え食品に反対する非営利団体主宰。
TEL: 917-478-2192 kaoru@krlllc.com
www.kaorukashima.com

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