2021年7月9日号 Vol.401

夏はさっぱりミントで消化をサポート

熱波続きのニューヨーク。夏は冷んやりしたものを食べたいですね。インドの古代医学アーユルヴェーダでは、ミントが火照った体を冷やすと言われていますが、実際アメリカでも夏はミントが沢山スーパーの棚に並びます。ミントはスーっとした清涼感・さっぱり感があるだけでなく、薬草として古くから使われてきました。そして近年の研究で、さまざまな効能が立証されています。

中世ヨーロッパでは、ワインや酢に浸してうがい薬にしたり、航海中に古くなった飲み水を浄化するためにミントを使ったりした記録もあるそうです。最近の研究では、ペパーミントの天然抽出物がカンジダ感染症の一つ、カンジダ・アルビカンスに対して抗真菌作用が強く働いたと発表されています。ガンジダ菌は腸内環境を整える菌ですが、他の悪玉菌、ウイルス、カビなどが体にはびこってしまうとカンジダ菌が増加してしまうのです。



ローマ時代になると、ミントは消化促進、食欲増進、胃腸の不調緩和のための薬草として認識されるようになったと言われています。近年は、ペパーミントの精油(エッセンシャルオイル)を使って高齢者の便秘を和らげ、排便回数を増やすという結果が報告されています。またある研究では、カプセル入りペパーミントオイルとキャラウェイオイル(これもエッセンシャルオイルです)の組み合わせが、西洋医学の消化不良の治療薬と同様の効果をもたらし、胃痛や、他の消化器症状の緩和に役立つことが示されました。

さらに、スペアミント、ペパーミントからの抽出物は、人間の結腸がん細胞の増殖を著しく阻害し、がん一般の増殖阻害に複合効果を与えるという研究発表もあります。144人の若年成人を対象とした研究では、入学試験などを受ける5分前にペパーミントオイルの匂いを嗅ぐと、記憶力が大幅に改善されることが明らかになりました。そのため、ペパーミントは早期・中度のアルツハイマー病による精神不安や過敏症を改善することが分かりました。

こんなにも幅広い効果をもたらすミント。今回はラムローストなど、ちょっと脂っこい肉料理に合う、ミントを使ったソースをご紹介します。

今週のレシピ:「ミント・マスタードソース」

■材料(3〜4人分)
●ミントの葉 半カップ
●ディジョン・マスタード 小さじ1と4分の1
●ココナッツシュガー 小さじ1と4分の1
●赤ワイン酢 大さじ3
●熱湯 大さじ3
●海塩 小さじ6分の1

■作り方
@ミントは洗って、みじん切りにしておく
Aボウルにマスタード、ココナッツシュガー、赤ワイン酢、海塩、コショウを入れ、混ぜ合わせる
BAに熱湯を入れて更に混ぜわせ、@のミントを良く混ぜて出来上がり。
ラム肉など、肉料理や、魚料理に添えると美味しいですよ。消化を助けてくれるので、色々な料理のお供に試してみてください。
※保存法:瓶に入れて冷蔵庫に入れておけば、約1週間もちます。


鹿島 香(かしま・かおる)
米国代替医療協会認定ホリスティック・ヘルス・カウンセラー。
遺伝子組み換え食品に反対する非営利団体主宰。
TEL: 917-478-2192 kaoru@krlllc.com
www.kaorukashima.com

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